【AJC杯】アリストテレス重賞初V!鞍上ルメールは3週連続で中山重賞3連勝
2021年01月25日 05:30
競馬
後方から同じ4歳ヴェルトライゼンデが追い込んだが半馬身から差は詰まらない。菊2着のプライド。勝ちタイム2分17秒9は同レースが中山2200メートルで行われるようになった85年以降最も遅い。「全馬にとって、このコンディションは難しかった」(ルメール)。不良馬場の消耗戦を制し、改めて無尽蔵のスタミナを証明した。
歴史を振り返れば、3冠馬が誕生した菊花賞の2着馬が、その次走で勝ったのは戦後初。音無師は「菊の激闘の疲れを考慮して有馬記念を我慢した。間隔を空けて、中身が出来切っておらず、馬場も悪くて自信はなかった。それでも地力で勝ってくれた」と目尻を下げた。今春の目標は天皇賞・春(5月2日、阪神)。「この馬はステイヤー。阪神大賞典か日経賞をステップに本番に向かいたい」とプランを明かした。3冠達成の後塵(こうじん)を拝した菊2着馬がG1(G1級含む)を勝てば、戦前、セントライト世代のミナミモア(1942年帝室御賞典・春=天皇賞の前身)以来となる。
半世紀以上かなわなかった逆襲劇の可能性の高さを、鞍上は力強い言葉で約束する。「トップコンディションではないのにG2を勝った。状態が良くなればG1も勝てる」。そして、いずれ実現するであろうコントレイルとの再戦についても「楽しみ」と自信ありげだ。明け4歳の牡馬はこれまで結果が出ず「弱い世代」と、やゆされてきたが、中山重賞3連勝の快挙にも涼しい顔で話す名手の弁には、有無を言わせぬ説得力があった。
◆アリストテレス 父エピファネイア 母ブルーダイアモンド(母の父ディープインパクト)17年4月8日生まれ 牡4歳 栗東・音無厩舎所属 馬主・近藤英子氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績10戦4勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億7195万3000円。馬名の由来は古代ギリシャの哲学者。