【ヴィクトリアM】テルツェット新星の勢い!高級車のような滑らか加速、狙い通りの出来
2021年05月13日 05:30
競馬
昨春のミモザ賞3着後に成長を促すため休養。夏の新潟の1勝クラスで復帰戦を飾ると、そこから破竹の4連勝。前走・ダービー卿CTでは牡馬を力でねじ伏せ、一気に重賞ウイナーへと上り詰めた。「昨秋から小さいなりに体に幅が出て、いい筋肉がついた。気性面も成長し、落ち着いて集中して走れるようになったのも大きい」。馬の成長力を信じて待ったことで心身のバランスが整った。
前走が418キロと牝馬の中でも小柄。馬体について師は「前走よりもボリュームを感じる」とした上で続けた。「サイズは小さいがストライドは大きい。余裕を持って体をつくっても、レースに向けて馬が自ら体重を調整する感じもある。体の大小は気にしていない。お父さん(ディープインパクト)も小さい馬でしたから」。
ディープ産駒で連勝中の牝馬といえば、真っ先に思い浮かぶのがレイパパレ。G1初挑戦だった4月の大阪杯でコントレイル、グランアレグリアを撃破する大金星。同じ境遇にあるテルツェットに懸かる期待も大きい。「前走より負担重量が増える(53→55キロ)し、相手も相当強くなる。簡単ではない」。師は冷静に分析する一方「めったにないチャンス。前走は中山で勝ったが東京(2戦2勝)の方がいい。状態はいいし通用する能力はあるはず」と力を込めた。
母ラッドルチェンドは先月の香港G1クイーンエリザベス2世Cを制したラヴズオンリーユーの半姉。東京マイルが得意な父に加え、母系の勢いも見逃せない。馬名は音楽用語で「三重奏」。勢い、舞台適性、血統。三拍子そろった心地よく、力強いハーモニーで強敵に真っ向勝負を挑む。
≪ディープ産駒最多10頭出走≫ディープインパクト産駒は大挙10頭がエントリー。全馬が無事ゲートインなら、15年天皇賞・秋の9頭を上回り、同産駒の同一G1最多出走記録を更新する。過去に13、14年ヴィルシーナ、18年ジュールポレールで3勝しており、今回勝てばフジキセキと並ぶ歴代最多4勝目となる。
≪波乱多いG1 今年も予感が≫ヴィクトリアマイルは“下克上”の多いG1。07年には12番人気コイウタがV。08年は当時の女傑ウオッカがG1初挑戦だったエイジアンウインズに敗れた。15年は5番人気ストレイトガール→12番人気ケイアイエレガント→18番人気ミナレットで決着し3連単は2000万円超えの大波乱。テルツェットが波乱の系譜を紡ぐか。