レイデオロ産駒熱視線!期待の新種牡馬、次代のエースへ名乗り
2021年07月14日 05:30
競馬
当歳セリの名物はオークション開始前に行われる一斉展示。まだ幼さ全開の0歳馬と母馬約500頭がバイヤーたちの前に並ぶ。母親の乳をねだったり、思わず眠りについてしまう子馬がいる中、凜(りん)としたたたずまいだったのがレイデオロの産駒たちだ。父を管理した藤沢和師は「お母さんがいるのに展示の時からグイグイ前を歩くんだ。お父さんと同じで凄くたくましくて気持ちが前向きだよな」とうれしそうだった。
16年ホープフルS、17年ダービー、18年天皇賞・秋を制したレイデオロ。産駒のポテンシャルはもちろん、期待されているのはその血統背景。父が19年に没したキングカメハメハで、血統表にサンデーサイレンスの名はない。師は「ディープインパクト産駒の牝馬と配合できるのが大きいよ。母親とクロスになるしね。何頭も牧場で見たけど、評判が非常にいい。走ると思うよ」と最大級の賛辞を並べた。レイデオロの曽祖母ウインドインハーヘアはディープの母。ディープ牝馬との配合で生じる「ウインドインハーヘアの4×3」が今後の日本競馬を席巻する可能性は十分。
ディープ、キンカメがこの世を去り、まさに“種牡馬戦国時代”。「モルガナイトの2021」(牡)を1億8000万円で落とした“ホウオウ”の小笹芳央氏は「どれが主流の種牡馬になるか。ギャンブル的な意味もあるけど、新種牡馬(の産駒)を狙いました」と先を見据えた戦略を明かす。数々の功績に敬意を払い、初日の1歳セリはディープインパクトのラストクロップたちがスタートと大トリを務めた。2日目の当歳セリ、同じ位置にはレイデオロ産駒が置かれた。23年にデビューする“黄金の王”の子たちに懸かる期待は大きい。