【川崎・川崎記念】井上オークス特別予想 カジノフォンテンに思いを馳せる
2022年02月02日 08:00
競馬
それから2ヶ月後、上山競馬は廃止された。11月11日の最終日、寒空の下、凍えながらファンを見送り続けた上山ジョッキーズ。握手の感触は忘れられない。どんなに廃止反対の声が上がっても、決定事項はくつがえせないことを思い知った。もう二度と上山に行くことはないだろうと思った。
船橋のカジノフォンテンが重賞で活躍し始めた頃、血統を知って思わず声が出た。母ジーナフォンテンは、上山でデビューした馬。5連勝を飾り、中央の芝レースに遠征して好走した。船橋に移籍後も大活躍して、川崎のスパーキングレディーカップやエンプレス杯などを制覇。川崎記念で3着に食い込んだこともある名牝だ。主戦は張田京騎手(現調教師)だった。
1年前、カジノフォンテンは張田調教師の息子である張田昂騎手を背に、川崎記念を鮮やかに逃げ切った。その後、「上山の競馬ファンが、ゆかりある馬の活躍を喜んでいる」という記事を読んで、そうか……と思った。競馬場はなくなっても、競馬場があった時間は消えない。上山競馬に育まれたホースマンは、今も各地で活躍しているし、ジーナフォンテンはこうして血を繋いだ。そして上山には今も、競馬を愛する人々がいる。
カジノフォンテンの川崎記念連覇を喜ぶ上山の人達を想像すると、心にポッと明かりが灯る。川崎記念を当てて、競馬馬の跡地にできた馬券売り場へ旅打ちに行こう。そして「ビジネス民宿・武蔵」に泊まって、たらふく食べよう。カジノフォンテンは川崎コースで5戦4勝。母ジーナフォンテンに似て、川崎が得意なのだ。◎(9)カジノフォンテンの単勝に1万円!