【東京新聞杯】久保田師 イルーシヴパンサーで今月引退の師匠と真っ向勝負!「もちろん勝ちたい」

2022年02月04日 05:30

競馬

【東京新聞杯】久保田師 イルーシヴパンサーで今月引退の師匠と真っ向勝負!「もちろん勝ちたい」
久保田貴士調教師 Photo By スポニチ
 日曜東京メイン「第72回東京新聞杯」で重賞初制覇を狙うのが3連勝中のイルーシヴパンサー。管理する久保田貴士師(54)は、有力ライバルのカラテを送り込む高橋祥泰師(70)とは師弟の間柄。今月いっぱいで調教師生活を終える師匠に、恩返しの勝利となるか注目だ。
 その鋭さは、まさに豹(ひょう)。初タイトルを狙うイルーシヴパンサーは東京コースで3連勝中。3戦全てで最速の上がりをマークし、前を行く獲物を捕らえてきた。10着に大敗した昨春の皐月賞の頃とは別馬。「走りのバランスが良くなり内容も安定してきた。ムキにならず、いい意味で力を抜いて走るようになったのもいい」。久保田師も愛馬の成長に目を細める。古馬になっての成長力に定評があるハーツクライ産駒らしい上昇曲線だ。

 久保田師にとっては特別な思いを持って臨む一戦でもある。高橋祥師が連覇を狙って送り込むカラテとの対決だ。師は厩舎開業前の約7年間、高橋祥厩舎で調教助手として研さんを積んだ。その師匠は今月末で70歳定年を迎える。「心が広く器の大きな方で、いろいろと勉強させてもらった」。当時、厩舎の看板馬だったサウスヴィグラスの調教もつけた。「デビュー前はそこまで走るとは思わなかったが、どんどん強くなった。種牡馬としても大成したから、本当に凄い馬だった。一緒に地方の交流重賞(6勝)を回ったのが、今となってはいい思い出です」と懐かしむ。

 「師匠が、見上げる人が近くにいなくなるのは寂しいです。40年も調教師をやられた方。僕はまだ半分の20年。まだまだです」。感謝と尊敬の念を抱く久保田師だが、レースの話になると「それとこれとは別です」ときっぱり。相手は昨年の優勝馬。「先生も残りわずか。抜かりなくきっちり仕上げてくると思う。うちの馬は連勝の勢いで、どこまで通用するか。もちろん勝ちたいです」。“有終V”を狙う師匠に真っ向勝負を挑む。飛躍を期す4歳イルーシヴパンサーにとっても、今年を占うであろう重要な始動戦。これが最後となるかもしれない重賞での師弟対決。真冬の府中に互いに譲れぬ火花が散る。

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