【高松宮記念】グレナディアガーズ100点 トモと肩に城壁のような厚い筋肉
2022年03月23日 05:30
競馬
G1初制覇を飾った19年スプリンターズS。その馬体診断でタワーオブロンドンについてこう記しました。「トモ(後肢)と肩(前肢)に城壁のような厚い筋肉をつけている。3歳春当時のマイラーを思わせる体形からスプリンターの体形へ。競馬を重ねながら短距離馬としての本性を現してきたのか…ともあれ、距離短縮を心配するような体つきではありません」。今回のグレナディアガーズにもそのまま当てはまる評価です。
朝日杯FS(優勝)、NHKマイルC(3着)などのマイル実績にふさわしいマイラー体形が古馬になってスプリンター色の強い体形に変化している。トモと肩には大きくて強靱(きょうじん)な筋肉。極限のスピードに対応できる体つき。ここまで筋肉が発達してしまうと、マイルを走るには邪魔になるでしょう。
桜開花の便りが届く季節。英国から持ち込まれたタイハクザクラという桜の変異種は、加齢とともに1本の枝に色違いの花を咲かせる“枝変わり”を起こします。タワーオブロンドンとグレナディアガーズ。英国つながりの名を持つ2頭が示したのは“体形変わり”と呼びたくなる競走馬の変異。マイラーからスプリンターへ。馬名は体形を表すのです。 (NHK解説者)
◇鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の77歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。