この親にしてこの子ありという。「それにしても父親の特長をよく受け継いでいるな」。ダイヤモンドハンズを担当する中沢助手は札幌の調教スタンドでその走りを見守りながら、かつて任された父サトノダイヤモンドの姿をまぶたに浮かべた。16年菊花賞、有馬記念を制した父譲りのスラリと胴が長いステイヤー体形。主戦・福永を背に芝コースに入ると、父に似た長い脚を伸ばしながら加速していく。父親も跳びが大きかったが、息子はもっと大きい。4馬身先行したディープモンスター(4歳オープン)との差を1馬身まで詰めてのゴールだ。
「ストライドが大きくて、ゴールに入ってからエンジンが掛かった。小脚を使った器用なレースはできないから小回り向きではないが、距離が延びるのはプラス。洋芝も全く問題ない」と語る福永。新馬戦では父の初年度産駒として初勝利を挙げた。「流れが忙しい中京マイルの新馬戦で勝ったのは評価できる。早い時期から走るタイプではないのに走れているから凄い。ここも勝つようなら来年が楽しみになる」。クラシックへ羽ばたく親子鷹だ。