ファントムシーフ歩む共同通信杯から皐月賞の“出世道”

2023年04月14日 05:25

競馬

 【競馬人生劇場・平松さとし】現役ジョッキー時代、名手の名をほしいままにした蛯名正義師(54)。サンクルー大賞典(仏G1)や有馬記念(G1)など、国内外で大レースを勝ちまくった。
 もちろんクラシックレースも勝っており、不思議と日本ダービー(G1)こそ縁がなかったものの、今週末に行われる皐月賞(G1)は2度制している。

 1度目は14年。2番人気のイスラボニータで1番人気トゥザワールドを撃破した。「右回りも2000メートルも初めてだったけど、折り合いさえつけば勝負になるとは思っていました」。結果、見事に折り合わせ、先頭でゴールを駆け抜けた。

 2度目はその2年後の16年。今度は8番人気で単勝30.9倍のダークホースだったディーマジェスティとともに直線一気。競馬ファンをアッと言わせた。

 「大外の18番枠だったけど、良発表といえパンパンに乾いた馬場ではなかったので、なんとかなると思いました。終始手応えがよく、最後の坂を上がる頃には“勝てる!!”と思いました」

 これほど強い馬が、当時人気薄だった理由の一つに、臨戦過程があった。ディーマジェスティは共同通信杯(G3)の勝ち馬だったが、皐月賞はそれ以来、約2カ月ぶりの実戦だったのだ。しかし、当時、蛯名騎手はこう話していた。

 「アクシデントがあって間隔が空いたわけではありませんでした。共同通信杯後すぐに皐月賞へ直行しようという話だったので、大丈夫だと信じて乗りました」

 そして、次のように続けた。

 「共同通信杯から皐月賞という臨戦過程はトレンドになるかもしれませんね」

 思い起こせば2年前のイスラボニータもそう。ディーマジェスティ同様、共同通信杯から直接、皐月賞へ向かい、クラシックホースとなったのである。

 さて、今年の皐月賞にも同じ道を進んで来た馬がいる。ファントムシーフ(栗東・西村真幸厩舎)だ。ここまで4戦3勝の同馬が、イスラボニータやディーマジェスティ同様、1冠目をモノにするのか。要注目だ。(フリーライター)

おすすめテーマ

2023年04月14日のニュース

特集

ギャンブルのランキング

【楽天】オススメアイテム