【競輪記者コラム】小川真太郎「まだ終わっていないんだ」熱い思い胸に5年ぶり平塚ダービーへ
2023年04月20日 11:04
競輪
そんなことはない。常に創意工夫。「野球の動画を見てヒントをもらった。腕の使い方だったが、それを脚に応用できないかなと思った。自分は自転車に乗ってない時も考えないと」と移動時間も研究を重ねる。また、セッティングに悩めば、同期のタイトルホルダー吉田拓矢に聞いた。強くなるためには何でもする。
覚悟もある。10~12日の取手F1決勝。片岡迪之、小倉竜二の先輩2人と同乗した。小川が先頭かと思いきや、「小倉さんの前で番手として勉強したい」と懇願。今の自分のポジションを自覚しての結論を出した。結果、片岡の番手から見事に優勝。“本番”でも町田、犬伏の番手もドンと来いだ。
昨年、徳島では3年ぶりに街中で阿波踊りが行われた。踊り手はうっぷんを晴らすように、最高の表情でハジけていた。「練習でも強くなっているのは感じる。“まだ終わっていないんだ”というのを見せつけたい」。小川もやってくれる。あの地、あの舞台で、あの時を思い出して。5年分の悔しさをぶつけてみせる。
◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の27歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。昨年は中央競馬との二刀流に挑戦。今年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。18年の平塚ダービーは父と観戦。負け過ぎて食事は場内のコロッケ(100円)のみだった。