【NHKマイルC】エエヤン 絶妙ラスト1F11秒1!ギア一段上げたV吉兆時計
2023年05月04日 05:30
競馬
単走でがっちり手綱を抑えたまま。直線に入ると真ん中に進路を取った。可動域の大きな飛ぶようなフットワーク。ゴーサインを出す必要もなく、ギアを一段上げた。5F66秒0~1F11秒1!!決して速くは見えないのに時計が自然と出ている。超A級馬の証明だ。
伊藤大師は明確な意図を持って最終追いを迎えた。
「今年4戦目。もう強い負荷は要らない。絶対オーバーワークは避けよう」
スタッフと綿密に打ち合わせた。その一方で「ただG1なので軽くなり過ぎないように。馬に気持ち良く走らせた」とも説明した。攻めすぎず、守りすぎず。余力を持たせた中でも、1Fの強烈な伸び脚で体は温めた。まさに絶妙。ちょうど、エエヤン!!
「やればいくらでも時計は出る馬。その中でどういう動きをするか。柔らかくて伸びのあるフットワークだったと思う」。ラスト1F11秒1はニュージーランドTの1週前追いでも記録したV吉兆時計だった。
未勝利戦V以来、戸崎と3戦ぶりのコンビ。「ミルコ(デムーロ)が乗れないことは分かっていたので、馬を知っているジョッキーが乗れるのは何より」と全幅の信頼を寄せている。再指名を受けた戸崎も「未勝利を勝った時から能力は感じていました。さらに力をつけて依頼を受け、うれしいです。走る気持ちをしっかり持った馬。折り合いが鍵になるとは思う。そのあたりがうまくいけば」と再会を心待ちにする。
開業15年目の伊藤大師はG1・8度目の挑戦で、悲願初制覇が懸かっている。「一言では言えないんですけど、大きな舞台でこれだけ印がつく馬で挑めるのは調教師冥利(みょうり)に尽きます。馬主さんにも(09年の)開業から見てもらっているので…。体の柔らかさ、ストライドの大きさは、東京に合うと思います」。指揮官は万感の思いでゲートインを待っている。