【紫苑S】モリアーナ剛脚引き出した!横山典最年長JRA重賞V「最後いい感じではじけてくれた」

2023年09月10日 05:15

競馬

【紫苑S】モリアーナ剛脚引き出した!横山典最年長JRA重賞V「最後いい感じではじけてくれた」
<紫苑S>レースを制したモリアーナ(撮影・郡司 修) Photo By スポニチ
 秋の中山開幕を飾る秋華賞トライアル・G2「第8回紫苑S」が行われ、4番人気モリアーナが剛脚を披露し重賞初制覇。秋華賞(10月15日、京都)では、リバティアイランドの牝馬3冠阻止に挑む。鞍上の横山典弘(55)は最年長JRA重賞V記録(これまでは21年レパードS柴田善臣の55歳10日)を55歳6カ月18日に更新。なお、2着ヒップホップソウル、3着シランケドまでが本番への出走権を手にした。
 これぞ横山典の超絶美技だ。前が有利な開幕週で内枠を手にしたモリアーナ。通常なら好位につけたいところだが、大ベテランの判断は違った。道中は16番手で折り合い専念。1000メートル通過58秒1というハイペースになることを見越していたかのように――。インから徐々に位置を上げていくが、それでも4角14番手。先頭とは12馬身ほども離れていた。

 「あそこからじゃさすがに届かないと…」という武藤師の言葉通り。絶望的に見えたが、鞍上には一筋の光を見いだしていた。少し気合を入れると、モリアーナは馬群の隙間を“瞬間移動”。その勢いのまま、抜け出していたヒップホップソウル(2着)もあっという間にのみ込んだ。涼しい顔をして最年長重賞Vを更新。先週の札幌2歳Sで記録が残る中では史上初だった横山武との「重賞父子ワンツー」も、1着2着を入れ替えて何と2週連続で成し遂げた。

 モリアーナは重賞5度目で初栄冠。武藤師は「ハラハラしたよ。秘めているものがあるのは分かっていたが…。坂を上がってからの脚は凄かったね。脚がたまればはじけることが証明できた」と興奮気味。トレーナーに11年ぶりの重賞Vをプレゼントした横山典は「休み明けで体の使い方がモタモタしていたけど、最後いい感じではじけてくれましたね」と淡々と振り返った。

 次なる目標はリバティアイランドの待つ秋華賞。武藤師は「昨年の阪神JF以来、胸を張って再戦できる。本番が楽しみだね」とリベンジを誓う。名手の腕で開花した牝馬が、3冠阻止へ堂々と淀へ向かう。

 ◆モリアーナ 父エピファネイア 母ガルデルスリール(母の父ダイワメジャー)20年3月2日生まれ 牝3歳 美浦・武藤厩舎所属 馬主・高橋文男氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績7戦3勝(重賞初制覇) 総獲得賞金9389万6000円 馬名の由来は「スラブの伝承に登場する風の女神」

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