【峰竜太のアロハな気分】「住之江のグランプリを獲ってこそ」 SG復帰戦で記録ずくめの優勝は序章

2023年11月22日 07:00

ボートレース

【峰竜太のアロハな気分】「住之江のグランプリを獲ってこそ」 SG復帰戦で記録ずくめの優勝は序章
峰竜太
 佐賀県唐津市出身でボートレース界のスーパースター・峰竜太がやってくれた!10月の蒲郡ダービーで約1年10カ月ぶりのSG復帰。いきなり節目の通算100回目のVと、全24レース場制覇を達成する記録ずくめの優勝を成し遂げて千両役者ぶりを見せつけた。今回の「アロハな気分」では喜びの声を届けるとともに、来月に迫ったグランプリへの思いも語った。
 「スポニチ読者のみなさん、アロハ~。ボートレーサーの峰竜太です。蒲郡ダービーで6回目のSG優勝をすることができました!この勢いで年末まで突っ走っていきたいと思ってます。引き続き応援よろしく!」

 21年12月の住之江グランプリ決定戦で1号艇の峰は1周1マークのターンマークに接触して転覆。これに3艇が巻き込まれて峰は妨害失格。完走艇が2艇になり、3連勝式の賭式が不成立となって史上ワーストの41億円返還となった。その後、SG出場停止期間もあって先月の蒲郡ダービーが約1年10カ月ぶりのSG復帰だった。唯一、優勝していなかった蒲郡開催、選出順位1位、通算99Vでの出走。峰も「これで優勝できればカッコイイ」と話していた、ドラマチックな舞台が整っていた。

 「メディアの方とかもいろいろと盛り上げてくれたし、G1とも違って前検日は“懐かしいな”とか“帰ってこれたな”っていう気持ちでしたね。でも選出順位1位でドリーム1号艇だったし、勝たないといけなかった。舞い上がらないように落ち着かせていましたね。引いたエンジンはあまり良くなかったけど、エンジンが出るように乗る前にプロペラを叩いていい反応があった」

 選出順位上位6人が激突した初日のドリーム戦をきっちりと制すと、最後の最後まで予選首位争いを演じ、トップ通過を果たした。

 「前検日にいい反応があって、普通ならそれでステイするんだけど、優勝を見据えていたんで大きく整備をした。それが見事に当たってくれて、エンジンは日増しに良くなってくれた。予選の最後で逆転してトップ通過。久々に凄い緊張感があってうれしかった」

 予選首位でVまでマジック2とすると、準優勝戦は3カドから攻めた難敵を封じ1着。SG復帰戦で優勝戦の1号艇を獲得した。

 「エンジンが仕上がっていたし、ほぼ大丈夫だと思っていた。相手がどうこうより、自分がミスをしないよう考えてた。スタートで跳ねたり、遅れたり、ターンで流れないように。優勝戦の1号艇はめちゃめちゃ緊張したけど、エンジンが凄く出ていた。そのおかげで気持ちもコントロールできていたし、“多分これは勝つな”と思いながらレースに向かってましたね」

 圧倒的な人気を集めた優勝戦。ゼロ台のトップスタート(タイ)で踏み込むと、1周1マークを回った時点でVを確信できるレース内容で後続を完封。最後はガッツポーズをしながら栄光のゴールに飛び込んだ。レース後のインタビューでは涙を流しながら喜んだ。

 「(涙は)かなり苦しかったので。うれし涙というよりはホッとした。“良かった~、終わった~”とこみ上げてきた。“負けてもいいから”と思いたい気持ちもあったけど、とにかくファンが後押ししてくれた。スタートも1マークも完璧。何も反省することはない。スタートはゼロ台前半を叩き込みたかったけど罰則が厳しくなった(今年からSGの優勝戦でフライングを切ると2年間SGに出られなくなる)し、放らないスタートで行きたかったので」

 大歓声に包まれ、復帰SGでいきなり優勝を成し遂げた。

 「大歓声は凄く良かった。頑張ったご褒美でした。賞金とかタイトル、名誉よりも、この歓声が自分の求めていたものだったんだなと感じましたね。それでもやりきった感はない。やっぱりグランプリを勝ってこそです」

 ダービー初優勝で通算100Vと全24レース場制覇をまとめて達成。ドラマチックな幕切れとなった。

 「24場制覇と100Vはメディアの方が大きく扱いすぎてプレッシャーにしかならなかった。でも結果を出せて、周りからの“持ってる”評価につながった。終わってみればあおってくれたのも良かったのかも。ここまで、(優勝するために)やってきたこととか強い気持ちで臨んだのは初めてだったかもしれない。達成感は今までの中でもかなり高かったと思う。(ファン投票1位で優勝した21年)オールスターと同じくらいだった」

 ダービーVで、わずか1回のSG出場ながら今年の獲得賞金ランクが1位になり、出走中のSG三国チャレンジカップはドリーム1号艇で臨み(その後、賞金ランクは2位に)、1着でゴールした。

 「チャレンジ1号艇はまさか。自分で言うのもなんだけど、返り咲き方が伝説。それだけの諦めない気持ちと覚悟があればできるんだと分かった。この上がり方が持ってるんだなと思いましたね。やっぱりボートレースが好き。活躍することが好き。持ってると思われるくらいの強い人間になってきた。持ってる持ってないは経験なんですよね。凡人が少しずつ夢をかなえて大きくなっていった。来世があるなら生かしたいね(笑い)」

 来月には3度目のVを狙うグランプリ(12月21日~)がある。SG復帰元年の大一番は因縁の住之江で開催される。

 「やっぱり自分の物語としてはここじゃジ・エンドにならない。あの転覆があったから、ここまでこれているし頂点を目指せている。復帰直後は現実味がなかったけど、また夢への権利をつかむことができた。住之江のグランプリを獲ってこそ。ファンを納得させるくらいの結果を出さないと。いつかじゃなくて今年獲る。これからのグランプリよりも今年のグランプリの方が絶対に価値がある。頑張りたいですね」

 蒲郡ダービーの優勝は夢への序章にすぎない。“再び頂点へ”の思いを胸に、3度目のグランプリ制覇へまい進する。

 ◇峰 竜太(みね・りゅうた)1985年(昭60)3月30日生まれ、佐賀県唐津市出身の38歳。唐津西高校時代はヨット部に所属し、インターハイ、国体、世界選手権に出場。ボートレーサーとしては佐賀支部の95期生として04年11月にプロデビュー。18、20年にグランプリ優勝。約1年10カ月ぶりのSG復帰だった先月の蒲郡ダービーで最高峰のグレードSG6度目のVと通算100回のV(11月22日時点)、全24レース場でのVを達成した。生涯獲得賞金は16億円を突破。1メートル71、血液型B。

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