【住之江ボート・SG第38回グランプリ連載<7>】土屋智則 忘れた頃に一発ドカンと!!

2023年12月09日 10:00

ボートレース

【住之江ボート・SG第38回グランプリ連載<7>】土屋智則 忘れた頃に一発ドカンと!!
“一発ツモ”でグランプリ出場の土屋智則 Photo By スポニチ
 確かに打率は低かった。今年の土屋は安定した戦いを続けたわけではない。1本のヒットが値千金、いや“値万金”。クラシックでのSG初制覇がグランプリへの直通特急券となった。
 「あれだけでしたね」と本人も笑う。一撃の3900万円。なのに賞金12位だから無理もない。意地悪な言い方をすれば一発屋。ただ、そういうタイプも魅力はある。コツコツもいいけど、一気にペロリも痛快。グランプリに出てさえしまえばこっちのものだ。

 「目標と言えば目標だったけど、出られたらいいなあぐらいでした。最低限、2ndまで残って、決定戦に行けたらいいですね」

 まだイメージが湧かない中で、ぼんやりとイブの大勝負を意識する。とにかく土屋らしい思い切ったレースを見たい。あくまでもチャレンジャー。その辺りは本人も重々承知している。

 「自分はSGを獲ったからといって何も変わっていないし、変わるつもりもないですよ。偉くなったわけでもないし、今まで同様にいつも通りやるだけです」

 取材時点で高揚感がまるでない。出られたらいいなあの舞台。テンパってもろくなことはない。肩肘張らず、深呼吸して勝負する。

 「エンジンの抽選運は悪い方ですけど、たまにボコッとすごくいい時があるんで、それに期待しますよ」

 グランプリは運が大きく左右する。ガラガラポンがほほ笑めば、何が起きても不思議はない。さあ、最強の一発屋になろうじゃないか。息を潜めていた男が静かに再度の一撃を狙う。

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