【鈴木康弘氏「達眼」馬体診断 】
「今年の漢字」が発表される京都・清水寺は巨岩の上に建てられた空中寺院として知られています。岩の上に長い柱で固定する懸造り(かけづくり)という建築形式が用いられているとか。そんな「岩」をイメージさせるのがセットアップです。
首から胸前、肩、トモに至るまで岩のような筋肉を付けている。背中と腹下が少し長い中距離仕様の骨格とはいえ、実際に中距離を走ると、この筋肉の巨岩が邪魔になってしまう。2000メートルを走るには筋肉のボリュームがありすぎるのです。マイルのG1に矛先を向けたのは正解でしょう。重賞初制覇を飾った札幌2歳Sの1800メートル戦よりも走りやすいはずです。
馬体の手入れの途中で写真撮影に応じてもらったのでしょう。前肢が濡れていますが、腱はくっきり浮かんでいます。加減せずに調教を積める丈夫な脚元。キ甲は未熟ですが、これから鍛えられて成長していけば、一層マイラー色の強い岩の体になるでしょう。