「日の丸おじさん」引退撤回!夏季五輪13大会連続参戦
2012年06月25日 06:00
五輪
4年前の北京大会後、高齢を理由に引退を表明。片道約12時間前後の長旅となるロンドンは、86歳では厳しいのではと考えていた。しかし、「(ロンドン五輪の年が)来てみたら元気だしね」と13大会目の応援を決めた。
開幕に向け、最近はゴルフで体力づくり。18ホールを軽く回る体力に、周囲も「大丈夫だね」と背中を押す。「40何年間も大きな声だして“ニッポ~ン!”て、何万人にも聞こえるようにやってるでしょ。それが長寿の秘けつかも」と五輪応援こそがエネルギーの源だ。
出発予定日は7月23か24日。到着後、まず、25日にロンドン近郊コベントリーで行われる「なでしこJAPAN」の初戦に駆けつける。
実は、五輪でサッカー応援に出向くのは初めて。野球ファンだったため、これまで団体競技の応援は野球中心の日程を組んできた。初のサッカー観戦を決めたのは、もちろん、なでしこたちの注目度もあるが、佐々木監督との“男の約束”が大きい。
昨年秋、銀座のクラブで佐々木監督夫妻と偶然同席。午後7時前から夜中まで飲み明かした。その際、開会式の27日までにロンドン入りすることを伝えると、佐々木監督に「ダメですよ、25日はうちの試合ですよ!」と来場を求められた。その後、12月に「ゆうもあ大賞」授賞式で再会。2度の対面もあり、「これは行かないとね」と応援魂に火が付いた。
「なでしこは金メダルを獲りますよ!獲らないと。監督も一生懸命やってるよ」とメダル獲得に太鼓判。「長年やってるとね、スタンドのどこにいれば目立って、どうすれば観客が盛り上がるのかは分かるのよ。ロンドンの応援テーマは“ありがとう”。もちろん、震災の時に助けてもらったことへのお礼もあるし、ありがとうって一番いい言葉でしょ」と、応援コンセプトも決めている。
「五輪に行くとね、世の中の金もうけや、好いたほれたは次元が低いものになる。人のエネルギーを感じて、地球上に生きている喜びを感じる。こればっかりは行かない人には分からない」
本番を前に気持ちは高まるばかり。「次のリオデジャネイロは90歳だしね」と話し、五輪人生の集大成として、なでしこJAPANの活躍を見届ける。
◆山田 直稔(やまだ・なおとし) 1926年(大15)4月26日、富山県生まれ。ワイヤロープなどを扱う浪速商事の会長。東京木場ホテルのオーナーなども務める。これまで夏季12大会、冬季1大会(長野)に来場。ロサンゼルス五輪で、長嶋茂雄氏に「インターナショナル・チアリーダー」と評され、以来「国際オリンピック応援団長」の肩書を使用。大相撲ファンでも知られる。
≪ロンドンでの応援旗は特注品!≫今回の応援用に製作した旗を初公開してくれた。これまで持参していたのは普通の五輪マークの旗だったが、そこに藤子不二雄Aさん作のイラストを配置。中央には「笑」という文字の書を置いた特注品だ。これまで、笑顔で世界中の五輪ファンと交流。その思いを結集した旗で「これをロンドンで大きく振りますよ!」と気合十分。