エース萩野の金ロード!リオ五輪で大也とのライバル対決に終止符を
2016年05月26日 09:15
五輪
ついに瀬戸とのライバル対決に終止符が打たれる。本紙のインタビューで振り返った衝撃の瞬間は中2だった08年8月27日のジュニアオリンピック。400メートル個人メドレーで瀬戸に敗れた。1秒45差。5日前の大会は6秒の大差で勝っていた。同学年の選手に初めて敗れ「常に自分との勝負ばかりで、優勝してもタイムが良くなかったら全然うれしくなかった。その中で(瀬戸)大也が出てきて、自分が初めて敗れ、悔しい気持ちはあったけれど、今までとは違った意味で水泳が新しく始まった」と視界が開けた。
ライバル出現でレースに臨む気持ちが大きく変化した。「勝負の時に意識することが増えた。あの選手に負けないように頑張りたいと思うようになった。ただ、今でも思うのは最大の敵は自分ということ」。他人を意識し、自分と向き合わせてくれたのも瀬戸だった。
ロンドン五輪後、北島康介氏を育てた平井伯昌氏が監督を務める東洋大に進学。「教わりたいと思った理由も、やっぱり自分の苦手な平泳ぎをもっと伸ばしていきたいと思ったから」と明かす。
瀬戸に差を縮められる種目だった平泳ぎは、日本選手権に出場する選手ぐらいのレベルに成長。「泳ぐ時は最後の蹴り出しを尻で蹴って進むイメージがあった。それを筋力をつけたことで、できるようになったのは大きい。ただ、僕の場合、全てが下手くそ過ぎたんで直すのも簡単でした」と自ら能力を開花させた。
4月の日本選手権前のスペイン合宿では、まだ現役だった北島康介氏と同部屋になった。「試合では北島さんみたいに“絶対に負けない”という強い気持ちを持つことが大切。リオではいい泳ぎを見せられるように頑張りたい」。瀬戸に敗れて目覚め、北島氏に刺激を受けて成長してきた。エースの自覚を、リオで金色の結果に結びつける。 (宗野 周介)