八百長問題シロかクロか…マルカ紙記者「噂はリーガで毎年ある」

2014年12月19日 08:47

サッカー

 八百長関与の疑いでスペイン検察庁から告発された日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)の現状について、スペインのジャーナリストはどう見ているのだろうか。マドリードの有力スポーツ紙マルカのバレンシア支局に勤務し、バレンシア、レバンテ、ビジャレアルを中心に取材しているミゲル・アンヘル・ロドリゲス記者がスポニチ本紙に寄稿した。
 スペインサッカーに入り浸る人々は毎シーズン八百長の噂を耳にしている。5、6月になると代理人、選手、またはクラブ幹部から「このクラブは絶対に残留する」、「あいつらはバケーション前に素晴らしいボーナスを手にする」といった言葉を聞き、実際に試合の多くは予言の通りとなる。今回のような本格的な調査が行われるのは時間の問題だったのだろう。

 検察庁反汚職課が裁判所に提出した告発文書は、レバンテ―サラゴサ戦で八百長があったことを決定的とするものであり、告発対象者は世論から有罪と見なされ始めた。最終的な判決を下すのは裁判官となるが、当時のサラゴサの選手たちとハビエル・アギーレの口座の動きは、相当にきついにおいを放っている。

 96万5000ユーロ(当時約1億1000万円)が、どのようにしてレバンテの選手たちに渡ったかはいまだ不透明ではあるものの、私は、レバンテの周囲から失望するような言葉を耳にしてもいた。サラゴサ戦に出場しなかったある選手は、こんな言葉を口にした。「ゴミのようなにおいがしたら、それはゴミでしかない。違うにおいと間違えることなんてないよ」。

 法律の専門家に聞いたところ、今回の件で告発対象者を弁護するのは相当難しいようだ。

 検察の証拠によれば、レバンテの選手はそれぞれ5万3611ユーロ(当時約611万円)を受け取ることで胸のエンブレムとファンを裏切った。事実ならば卑劣としか言いようがない。スペインサッカーのために、正義が井戸の底にまで到達することを心から願っている。たとえ誰かが失墜することになろうとも。(マルカ紙 ミゲル・アンヘル・ロドリゲス)

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