誤審を言い訳にするのはいかがなものか サッカーで誤審は想定の範囲内
2016年09月04日 09:40
サッカー
サッカーは人間が判定するスポーツだから面白い。ひんぱんにあっては困るが、時には審判のミスもあり、それがドラマを生む要因にもなっている。1966年W杯イングランド大会決勝で、イングランドのFWハーストの勝ち越しゴールが「入った」「入っていない」と、何年も論争になった。86年W杯メキシコ大会のイングランド―アルゼンチン戦では、アルゼンチンのマラドーナの神の手ゴールが話題になった。テクノロジーがなく、人間が判定するから生まれたドラマだ。
最近はテニスや野球でビデオ判定が導入されているが、野球でも「ストライク」「ボール」の判定がすべて機械化されたら、面白みは減少してしまう。審判が真剣にジャッジする中での“誤審”は許容範囲で、スポーツにはそういう側面があってもいいと思う。
だいいち、誤審で得をしたチームは絶対に誤審だとは言わない。「ナイス・ジャッジ」と言う。UAEが「浅野のゴールは入っている。得点を認めてくれ」と、主審に申し出ることはない。もちろん、日本が審判に救われることもある。誤審に泣くこともあれば、得することもある。プラス・マイナス・ゼロだ。
それより、UAE戦の敗因は誤審ではなく、試合運びだ。ボール支配率62・8%、シュート数でも22―9とUAEを圧倒しながら、守備のミスで2失点し、攻めては1点しか取れなかったことが問題だ。しっかり守り、確実に決めていれば普通に勝てた試合で、前半で3―0にでもしておけば、微妙な判定も目立たなかったはずだ。
初戦に負けても、トータルで考えれは十分に取り返せる。それより、誤審を敗因に挙げてしまうのが一番、いけないと思う。(専門委員)
◆大西 純一(おおにし・じゅんいち)1957年、東京都生まれ。中学1年からサッカーを始める。81年にスポニチに入社し、サッカー担当、プロ野球担当を経て、91年から再びサッカー担当。Jリーグ開幕、ドーハの悲劇、ジョホールバルの歓喜、W杯フランス大会、バルセロナ五輪などを取材。
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