村井チェアマン「廃校を練習拠点に」J2水戸の地域共生が面白い
2016年09月20日 10:40
サッカー
そんなホーリーホックにさらに朗報が舞い込んだ。水戸市内から車で40分ほどの城里町から、昨年3月に廃校となった中学校を練習拠点に使用する提案を受けたのだ。校舎は廃校といっても改築後20年にも満たないもので、校舎面積はケーズデンキスタジアム水戸以上の大きさ。体育館もあればプールもあり、クラブハウスはJ1ライセンス基準を満たし、校庭を改装する専用練習場では、天然芝2面が確保できる。18年4月からの使用を目指して先日クラブと城里町による協定書の締結も行われた。
この取り組みは決してクラブだけがメリットを得られるものではない。城里町側としても、廃校の利活用としてクラブハウスと併設してこの地区に点在していた支所や公民館を置くことでコストが削減できるとともに地域の集いの場や防災拠点としての機能が期待されるのだという。こうしたことが実現できたのも、地域密着や地域との共生を何よりも重視してきたクラブの姿勢が評価されたものであり、Jリーグの理念の具現化や地域創生のベンチマークとして注目されるはずだ。
ホーリーホックはクラブハウス建設を機に、アジアとの交流に加えて、アカデミー世代を中心とした人材育成、さらには茨城の強みである農業技術支援のサポートまでクラブの成長戦略に掲げてプロスポーツクラブを核とした豊かな街づくりを展開していくのだという。まだまだ構想段階のものは多いものの、今後のホーリーホックの動向から目が離せない。(Jリーグチェアマン)