村井チェアマン 東京五輪につながるスポーツボランティアの活性化
2016年11月01日 11:11
サッカー
ボランティアの皆さんはJクラブにとって貴重な「財産」だ。Jリーグ百年構想には、スポーツを「する」「みる」だけでなく「参加する」ことが掲げられている。スポーツボランティアに参加することで、地域との絆が生まれ、与えられる側から与える側に変わっていく。それはそれぞれのクラブに対する「オーナーシップ」の意識の萌芽(ほうが)でもある。
新潟では、彼らのオーナーシップの高まりの一端を垣間見ることができた。総合病院で働く医師の方は入院患者に対してパブリックビューイングを実施していた。入院患者に病院に関するイメージを聞くと「不安、孤独、苦痛、恐怖」などの負のイメージばかりであり何とかそれを変えていくことで患者にポジティブな生き方を提供したかったのだという。最初は観戦希望者がわずか3人だったが、今ではサッカーに興味のない患者さんも集まり応援の輪ができているのだという。彼はこれを論文にして学会で発表をしている。また、地元の大学生たちは少しでも若い人をスタジアムに足を運ばせようとサークル活動としてさまざまな集客活動に取り組んだり、自主的に使い古したユニホームを集めてミャンマーの子供たちに届ける活動を展開していた。
彼らはクラブが思うボランティア活動の枠を超えて、地域やクラブに対して強いオーナーシップを持って社会に貢献しようとしている。それは、必ずしもクラブにとって意図したものではないこともあるかと思う。しかし、私はそうしたボランティアをはじめとした市民の主体的な参画こそが最終的にクラブの成長を促すエンジンになるのではと考えている。欧州などサッカーの歴史ある国々ではソシオ制度などの例を見るまでもなく個人がクラブのオーナーとなっているケースも多い。
2020年東京五輪成功の鍵はボランティアの活躍にかかっているのではないかと思う。オリンピックを自分ごととして捉え、このイベントを成功させるために自らがどう関与し協力できるかを考え、それを実践できた時、初めて東京五輪が多くの人々にとって意義あるものだったと言えるのだろう。スポーツイベントの成功は決して主催者だけでつくり上げられるものではないのだ。(Jリーグチェアマン)
おすすめテーマ
2016年11月01日のニュース
特集
サッカーのランキング
-
小林祐希、地味に神ってる!!蘭デビューからの公式戦不敗9に伸ばす
-
小林悠 CS出場絶望的…左太腿の負傷は全治6週間か
-
ハリル監督 U19“もっとJで使え”若い世代成長へ出場少ない現状不安
-
U19日本 全6戦完封で鉄壁V!死闘PK戦制し初のアジア王者
-
U―19日本 帰国に100人出迎え!堂安「満足はしていない」
-
2年前の屈辱が転機、海外遠征増加など東京世代強化策見直し結実
-
磐田 J1残留へ自信!名波監督「できなければ男じゃない」
-
新潟残留へ!FWカリウ 恩返し弾決める「100%集中したい」
-
三菱自動車&重工業 持ち株会社を設立!浦和のJ規約抵触回避へ
-
浅野 移籍後初ゴールも…独紙は評価厳しめ「更なる力足りない」
-
大迫 ウィング起用に苦戦も初のフル出場「正直難しかった」
-
高徳 ボランチとして奮闘も…大迫ケルンに完敗でガックリ
-
原口 フル出場も不発「リズムに乗れなかった」
-
マンC バルサに本拠で雪辱だ!エースFWアグエロの活躍に期待