女子CL決勝で熊谷弾!なでしこ主将29歳、男女通じてアジア初得点

2020年09月01日 05:30

サッカー

女子CL決勝で熊谷弾!なでしこ主将29歳、男女通じてアジア初得点
サッカー女子の欧州CLで優勝し、トロフィーを手に笑顔のリヨン・熊谷(AP) Photo By AP
 【女子欧州CL決勝   リヨン3―1ウォルフスブルク ( 2020年8月30日 )】 サッカー女子の欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝戦が30日、スペインのサンセバスチャンで行われ、日本代表主将の熊谷紗希(29)が所属するリヨン(フランス)がウォルフスブルク(ドイツ)に3―1で勝利し、史上初の5連覇を達成した。ボランチとしてフル出場した熊谷は前半終了間際に左足でミドルシュートを決め、男女を通じてアジア人としてCL決勝で初ゴール。
 なでしこジャパンを長きにわたって先導する熊谷が、新たな歴史を刻んだ。女子CL史上初の5連覇を達成したチームにあって、ゴールも記録。満面の笑みとともに優勝トロフィーを高々と掲げる姿は、最強チームを支えてきた誇りに満ちていた。

 1―0で迎えた前半終了間際だった。味方がリターンしたボールに反応し左足を振り抜いた。ボールは低い弾道でゴール右隅に突き刺さる貴重な追加点。インスタグラムで友人からのメッセージに「本人もびっくり」と反応したが、判断力と技術力の光った会心の一撃だった。

 歴史的な得点となった。欧州サッカー連盟(UEFA)によれば、欧州CL決勝での得点は、男女を通じて日本人はおろかアジア人初。貢献した5連覇は、1956~60年に男子のレアル・マドリード(スペイン)が達成した偉大な記録に並んだ。決勝のピッチに立った日本男子はいまだおらず、前身の大会を合わせても78~79年シーズンのケルン(ドイツ)の奥寺康彦、2010~11年シーズンのシャルケ(ドイツ)の内田篤人が進んだ4強が最高。5連覇全て主力として戦った熊谷は、男女の垣根を越えて日本サッカー界のレジェンドといえる。

 日本女子が世界の頂点に立った11年W杯ドイツ大会決勝。PK戦で最後に歓喜のゴールを決めた熊谷は、29歳となった今年1月にクラブとの契約を来年6月まで延長。直後には「日本人の自分が世界のトップレベルでできることを見せ続けられれば」と、なでしこの誇りを口にした。その言葉を最高峰の一戦で体現。自身のインスタグラムで「史上初のチャンピオンズリーグ5連覇達成しました。仲間に感謝。全てに感謝。応援本当にありがとうございました」と喜びを書きつづった。

 【女子欧州CLとは】
 ☆発足 01~02年から欧州女子カップとして開催され、09~10年から現大会名。女子クラブチームの国際大会としては世界最古。

 ☆出場資格 各国のリーグランキングで出場枠(各リーグ最大2)を決める。出場チームは最大67で、今季は62。

 ☆大会方式 今季出場62チームのうち40チームが1次リーグで10組に分かれ、各組1位が通過。決勝トーナメントから登場の22チームを加えた32チームで優勝を争う。

 ☆優勝回数 リヨン(フランス)の7回が最多。初代王者のフランクフルトが4回。ウメオ(スウェーデン)、ポツダム(ドイツ)、ウォルフスブルク(同)が各2回で続く。
 ☆優勝賞金 25万ユーロ(約3150万円)。男子の1900万ユーロ
(約24億円)と比べると76分の1。

 ◆熊谷 紗希(くまがい・さき)1990年(平2)10月17日生まれ、札幌市出身の29歳。常盤木学園高(宮城)を経て09年に浦和入団。11年7月にフランクフルト(ドイツ)へ移籍、13年にリヨンに加入した。なでしこジャパンには17歳の08年3月に初選出。W杯は11年ドイツ、15年カナダ、19年フランスの3大会連続出場。12年ロンドン五輪は全試合フル出場で銀メダル獲得に貢献した。高倉ジャパンでは17年から主将。19年アジア連盟の女子の最優秀選手に選ばれた。代表通算112試合1得点。1メートル73、63キロ。好物は味噌ラーメン。家電好き。

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