【後編】WEリーグ・岡島チェア単独インタビュー「出産、子育てを経ても継続して活動できれば」
2022年05月27日 18:01
サッカー
![【後編】WEリーグ・岡島チェア単独インタビュー「出産、子育てを経ても継続して活動できれば」](/soccer/news/2022/05/27/jpeg/20220527s00002000440000p_view.webp)
「もちろん各クラブの地元の方々です。特に来てほしい層は小さな子どもたちですが、90分をただ見てもらうだけでは飽きてしまう。では、そういう子たちは何が楽しいかというと、打楽器に合わせて手を叩くだったり、集まった人たちとの一体感だったりします。国立競技場の試合ではスクール体験やバブルサッカー、ミニ大会などのイベントが行われました。あとプレーしていなくても、小学生や中学生は見込み客として積極的に取り込んでいきたいです」
――そのための施策は?
「コロナ禍で実施のハードルは高かったですが、サッカースクールなどを通じて、参加者が長期的なリピーターになることを期待しています。また、具体案になっていませんが、海外から強豪クラブを招待したいです。今年は予算の都合で呼べないかもしれませんが、いくつかのクラブで対抗戦のようなものを開催したい。もちろん金銭面で目途がたてばバルセロナなどビッグクラブにきてほしい。サッカーにあまり興味がない人でも“見てみよう”と思えるマッチメークができれば、女子サッカーの裾野は広がります」
――中断期間の長さや試合数の少なさも問題点に挙がる。来季以降の展望を。
「2年目もクラブで戦いますが、今年の7月から参入審査をします。今、手を挙げているのはセレッソ。やはりチーム数は偶数でリーグを開催したい気持ちはあります。逆に数を削ることは話題にはあがっていません。試合数に関してはプレシーズンマッチを開催する方向で調整しています。中断期間については豪雪地帯のクラブもあるので難しい問題ではあるのですが、例えば九州などキャンプ地で交流戦などをして、WEリーグ熱が冷めないようにしていけないかを考えています」
――他の女子スポーツとの連携は?
「野球、ホッケー、バスケなどとは協力関係にあります。例えばシングルマザー支援など一つのテーマを決めて、全女子クラブで行うようなプロジェクトを考えています」
――選手が安心して出産、子育てをできる制度作りは?
「初年度にいいお手本ができました。日テレ東京Vの岩清水選手はお子さんを連れて会場入りし、会場の一室で預かってもらいました。千葉の大滝選手は昨年11月に出産し、クラブの支援もあって2月の皇后杯決勝に出場するスピード復帰でした。これがロールモデルになり、出産後もプレーを続けたいという選手が増えるようになればうれしいですね」
――具体的にライフプランを描ければ、活性化につながる。
「リーグの参入基準に“託児所を設ける”というのがあります。コロナ禍でまだできていませんが、選手だけでなく、スタッフや審判団なども子どもを連れてこられるようになってほしい。出産、子育てを経ても継続して活動できれば、日本の女子プロスポーツの可能性はもっと広がるはずです。ゆくゆくは枠を観客まで広げていきたいですね」
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