元スペイン代表のF・トーレス氏「最も重要な選手は間違いなく南野拓実だ」 リバプール後輩をキーマンに

2022年11月17日 04:25

サッカー

元スペイン代表のF・トーレス氏「最も重要な選手は間違いなく南野拓実だ」 リバプール後輩をキーマンに
10年、サッカーW杯南アフリカ大会でトロフィーを掲げるF・トーレス(AP) Photo By AP
 【レジェンドポイント】W杯カタール大会1次リーグで対戦するドイツ、コスタリカ、スペインには、日本と縁の深い選手や指導者がいる。ライバル3カ国のレジェンドのインタビューを3回連載で紹介する。第1回は、スペイン代表として10年南アフリカ大会で優勝し、Jリーグの鳥栖でプレーした経験があるフェルナンド・トーレス氏(38)。母国や日本の注目選手などについて聞いた。(取材・小田郁子通信員)
 昨年欧州選手権で3位に入ったスペインは10年南アフリカ大会以来の世界一を狙える布陣でカタール大会に臨む。12年前の初優勝メンバーでもあるトーレス氏は新世代の「無敵艦隊」をどう見ているのだろうか。

 「スペインは常に競争力があり、優勝候補の一つになる。若手が多く、何のコンプレックスもないし、意欲に満ちている。MFブスケツ、MFペドリ、MFガビは攻撃のリズムや試合の流れをつくる重要な選手だ。彼らの出来が良ければチームは良い結果を得られるだろう」

 1次リーグ最終戦で戦う日本については堅守を評価。リバプールの後輩・南野をキープレーヤーに挙げた。

 「日本はアジア予選B組で2番目に得点が多く、失点が最も少なかった。達成するのは困難だったと思う。いろんな意味で日本は大きな可能性を秘めている。最も重要な選手は間違いなく南野拓実だ。私はリバプールでプレーしたので彼をよく知っている。南野がリバプールでプレーしていた時、誰もが彼の優れた能力を感じたと思う。カタール大会は彼にとって素晴らしい瞬間になるだろう」

 同じく同組のドイツとコスタリカにも警戒感を示した。

 「ドイツは欧州で最も競争力のあるチームで世界チャンピオン候補。優れた選手がそろっているし、フリック監督は世界最高の監督の一人だ。コスタリカはGKナバス、FWキャンベル、MFルイスらレベルの高いベテランがいてチームに個性、経験、熱意を与えている。面白いチームで驚きをもたらすだろう」

 E組を勝ち上がる2チームはどこになると予想しているのか。

 「スペインと日本であってほしいね。日本は大きな可能性を秘めているが、エネルギッシュに激しく戦う必要がある。これは1次リーグを勝ち抜くために重要なことだ」

 トーレス氏が予想する優勝国は過去2回世界一になったアルゼンチン、3度準優勝のオランダ、そして母国スペインだ。

 「優勝するのはアルゼンチン、オランダ、スペインのどこかだと思う。W杯で勝つためには良い準備が必要。今大会は準備期間がやや短いが、選手のパフォーマンスのピークを大会に合わせることが一つの鍵になる。それは難しい作業だが、うまくいけば高いレベルでW杯を戦うことができるはずだ」

 自身は3度W杯に出場した。ドイツ大会は16強、南アフリカ大会は優勝、ブラジル大会は1次リーグ敗退。悔しい思いも味わったが、世界の舞台の経験は忘れられないという。

 「私は3度W杯でプレーしたが、世界チャンピオンになった南アフリカ大会が最高の思い出だ。素晴らしい仲間と一緒に戦い、応援してくれたファンと優勝の喜びを分かち合った瞬間を忘れることはない。W杯は特別な大会だ。新しい世代のスペインが再び優勝することを願っている。それはスペインサッカー界の未来に良い影響を及ぼすと思う」

 F・トーレス氏は18年から1年間、鳥栖でプレーした後に引退した。日本は現役最後のシーズンを過ごした国でもある。

 「日本で過ごした1年間は素晴らしい思い出だ。人々は礼儀正しく親切だし、美しい国で訪れるべき場所がたくさんある。思い出すだけで恋しいよ。街中を自転車で走ると静けさと平和を感じたことを覚えている。食べ物もおいしかった。Jリーグは欧州のリーグに比べて歴史が浅く改善点も少なくない。ただ多くの人の努力で競争力のあるリーグになりつつある。近いうちに選手とチームのレベルが上がると確信している」

 世界中のファンから愛され続けるイケメンストライカーは、最後に日本のファンにメッセージを残した。

 「日本のファンの皆さん、今でも私を愛してくれてありがとう。私は日本がW杯で活躍することを祈っている。そしてスペインとともに決勝トーナメントに進出することを願っている。ガンバッテクダサイ」

 ◇フェルナンド・トーレス 1984年3月20日生まれ、スペイン出身の38歳。Aマドリード(スペイン)、リバプール、チェルシー(いずれもイングランド)、ACミラン(イタリア)を経て18年鳥栖に移籍。19年8月現役引退。スペイン代表通算110試合38得点。現在はAマドリードの下部組織フベニールA(19歳以下)の監督を務める。

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