【スポニチ蹴球部コラムFootひと息】充実の奈良クラブ新拠点 あとは地元をいかに“巻き込む”か
2023年02月15日 07:00
サッカー
東大阪市に本拠地を置くFC大阪はラグビーの聖地「花園」をホームスタジアムとしている。2万6544人と最も収容人数が多く、昨季は年間2試合だけだった花園第1グラウンドが、今季からはホーム戦で毎試合使用。最寄り駅から徒歩数分と利便性が高く、観客にとってはありがたい。奈良クラブは1月に新たな拠点となる「ナラディーア」をオープンさせた。夜間照明付きの人工芝が2面、アカデミー寮を完備した大浴場付きのクラブハウスもある。主にサポーターの利用を念頭に、施設内にカフェやコンビニエンスストアを誘致する計画もある。浜田社長は「ハード面を充実させることで、選手やファンがここに来たいと思えるようにしたい」と話す。両クラブとも“集まりたい”と思える場所を持っている。
これは重要なファクターだ。選手が入団を決める要因は金銭だけではない。そのクラブの将来性やビジョン、規模も考慮する。大きなスタジアムがある、立派なクラブハウスがある――は決め手の一つだ。私が知るJ3クラブの中にはクラブハウスがない(最近できたクラブもあるけど)、練習場を転々としなければいけないチームもあるだけに、十分な大きさの「箱」を持っていることはアドバンテージだろう。
あとは保有しているツールを活用し、いかにより多くの近隣住民を巻き込むか。FC大阪は昨季1試合平均観客数は2563人、奈良クラブは同2000人強。クラブを取り巻く人々の輪がどんどん大きくなれば、おのずと次が見えてくる。そして、その次の絵を描くための「ソフト面」を託されるのはFC大阪の志垣良監督であり、奈良クラブのフリアン監督である。(飯間 健)
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