【スポニチ蹴球部コラムFootひと息】充実の奈良クラブ新拠点 あとは地元をいかに“巻き込む”か

2023年02月15日 07:00

サッカー

【スポニチ蹴球部コラムFootひと息】充実の奈良クラブ新拠点 あとは地元をいかに“巻き込む”か
奈良クラブの新拠点「ナラディーア」 Photo By スポニチ
 いよいよ23年のJリーグが開幕する。J1に所属する関西圏4クラブの躍進はもとより、新たにJ3参入するFC大阪と奈良クラブの戦いにも注目したい。
 2クラブはそれぞれ目標設定が違う。FC大阪は25年シーズンのJ1昇格を掲げた。つまり来季J2へ昇格するためには今季上位2チームに入らなければならない。奈良クラブは今季10位以内に入り25年シーズンにJ2昇格。そして30年シーズンのJ1を見据える。目標到達が速いか遅いかは時の運に左右されることもある。だが、一つ言えるのは両クラブともJ1級のポテンシャルを十分に秘めているということだろう。

 東大阪市に本拠地を置くFC大阪はラグビーの聖地「花園」をホームスタジアムとしている。2万6544人と最も収容人数が多く、昨季は年間2試合だけだった花園第1グラウンドが、今季からはホーム戦で毎試合使用。最寄り駅から徒歩数分と利便性が高く、観客にとってはありがたい。奈良クラブは1月に新たな拠点となる「ナラディーア」をオープンさせた。夜間照明付きの人工芝が2面、アカデミー寮を完備した大浴場付きのクラブハウスもある。主にサポーターの利用を念頭に、施設内にカフェやコンビニエンスストアを誘致する計画もある。浜田社長は「ハード面を充実させることで、選手やファンがここに来たいと思えるようにしたい」と話す。両クラブとも“集まりたい”と思える場所を持っている。

 これは重要なファクターだ。選手が入団を決める要因は金銭だけではない。そのクラブの将来性やビジョン、規模も考慮する。大きなスタジアムがある、立派なクラブハウスがある――は決め手の一つだ。私が知るJ3クラブの中にはクラブハウスがない(最近できたクラブもあるけど)、練習場を転々としなければいけないチームもあるだけに、十分な大きさの「箱」を持っていることはアドバンテージだろう。

 あとは保有しているツールを活用し、いかにより多くの近隣住民を巻き込むか。FC大阪は昨季1試合平均観客数は2563人、奈良クラブは同2000人強。クラブを取り巻く人々の輪がどんどん大きくなれば、おのずと次が見えてくる。そして、その次の絵を描くための「ソフト面」を託されるのはFC大阪の志垣良監督であり、奈良クラブのフリアン監督である。(飯間 健)

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