U20松木玖生 世界デビュー弾!鮮烈ミドルで優勝候補セネガル撃破 俊輔氏の金言を大舞台で体現
2023年05月23日 04:44
サッカー
コロナ禍で21年U―17W杯が中止となり、この世代にとって世界デビュー戦。だが、松木は臆することなく、強烈な一撃を優勝候補にお見舞いした。ペナルティーエリア外の中央で味方からパスを受けると、シュートに一切の迷いなし。ボールは相手GKに触られることなくゴールネットに突き刺さった。
「普段からあそこを狙っている。(福井)太智から横パスが来て、ゴールが真っすぐ見えたので打ち切ろうと思った。こういう大舞台に強いのが自分。自信になるし勝てることを世界に証明できた」
昨年11月、FC東京の先輩のDF長友に連れられ、横浜市内の焼き肉店で中村俊輔氏と会食する機会を得た。同じ左利きのレジェンドにFKなどキックについて尋ね、「人のまねじゃなく自分の蹴り方、タイミングなどで蹴った方がいい」と自身のフォームを固めることが重要だと金言をもらった。また、CKなどについては「1試合で5~6本あるから、1本目にニアに打って相手の動きを確認したり、駆け引きしていた」と経験を注入された。
クラブではシュート練習に重きを置いてきた。「シュートは凄く練習していて、その中でもセットプレーとかゴール前のミドルシュートを自信を持って練習できている」。ブレ球を含め、数種類のキックを使い分けられる。世界を驚かせたプレーには、生来の積極性に加え、積み重ねた自信がベースにある。
アジア予選ではプレミアリーグのウルバーハンプトンのスカウトが松木をお目当てに現地で観戦した。「注目されるようなプレーをしたい」と乗り込んだW杯。海外メディアでは日本代表MF三笘が活躍するブライトンがリストアップしたと報道。また、同MF鎌田が所属するドイツ1部Eフランクフルトやフランス、オランダのクラブも興味を示しているという。
この日の得点で松木の評価はさらに上がった。狙うのは2戦連発での連勝。「一喜一憂せず、勝ち切ることだけをイメージしていきたい」。個人としてもチームとしても、世代の頂点を目指して駆け抜ける。
◇松木 玖生(まつき・くりゅう)2003年(平15)4月30日生まれ、北海道出身の20歳。青森山田中で2度の全国優勝。青森山田高では1年生からレギュラーとなり、21年度の全国高校選手権で優勝。22年にFC東京でプロ生活をスタートすると、開幕戦で先発するなど主力としてフル稼働した。1メートル80、78キロ。利き足は左。
▽U―20W杯 前身は世界ユース選手権。1977年に初開催され、2007年大会から現名称となった。日本は第2回大会に開催国として初出場。99年には小野伸二ら“黄金世代”を擁して準優勝した。21年は新型コロナの影響で中止。1次リーグは24チームが6組に分かれ、各組上位2チームと、3位のうち成績上位4チームが決勝トーナメントに進む。