【小野伸二引退】城彰二氏 考え方が異次元、天性の感覚 ケガがなければ…
2023年09月28日 05:28
サッカー
城氏が一番鮮明に覚えているのはW杯フランス大会の時。1次リーグ最終戦のジャマイカ戦の後半34分から出場し「いきなり股抜きした。相手の意表を突いたドリブルだったが、あんな大舞台で…驚いた」と懐かしむ。大会前の練習では「見ているところが違った。FWとMFの連係練習でも、このタイミングでここにボールが出てくるのか、ということがよくあった。彼は普通は出せないところでも、出せる。そこに出すから走ってくれと言ってきた」と天才と呼ばれるゆえんを列挙した。
「FWに背を向けていても、前にパスを出してきた。後ろ向きでボールをコントロールして、体を倒しながらパスを出す。衝撃だった。考え方が異次元で、見える範囲や発想力が並外れていてそこに技術がある」
城氏が小野を初めて見たのは、自身の市原時代。「清水商に凄い選手がいる」と聞き、映像を見たという。後ろから来たパスをコントロールしてループシュートを決めたシーンだったが「何者だ?と思った」と衝撃を受けた。その後、浦和に入った小野と国立で対戦したときにも、先制ゴールを決められた。「彼を超えるのは、なかなかいない。練習で身につけたというより天性の感覚」と評価し「大ケガがなければどんな選手になっていたか。日本サッカー界にいろいろなものを与えてくれた」と感謝した。