全国高校サッカー今日開幕　東海大大阪仰星FW水永「日本一目標」関西イヤー、タテジマのエースに注目

2023年12月28日 05:45

サッカー

　第102回全国高校サッカー選手権（来年1月8日決勝）はきょう28日に開幕する。7大会ぶり6度目の出場となる東海大大阪仰星（大阪）は大阪大会決勝でハットトリックを決めたFW水永直太朗（3年）に注目だ。黄と黒の虎柄ユニホームが特徴的な同校。前回出場した第95回大会で4強入りした“猛虎軍団”が再び旋風を巻き起こす。プロ野球・阪神が38年ぶりの日本一に輝いた23年。同じく日本一を目指す関西の有力選手を「アレのアレを目指すオレ」と題して紹介する。　（取材・構成　北野　将市）

　“タイガー軍団”に期待は膨らむ。黄色地に黒のタテジマのユニホームで激戦区を勝ち抜いた東海大大阪仰星。大阪大会決勝では履正社を4―0で圧倒し、7年ぶりの切符をもぎ取った。ハットトリックを決めたFW水永は最初で最後の大舞台に燃えている。

　「新チーム結成時から、日本一を目標にしています。難しい戦いになると思いますけど、目の前の勝負に全力を尽くしたい」

　中学時代に所属した強豪の宇治FCでは無名の控え選手で、試合出場もほとんどなかったという。高校入学後にめきめきと力をつけ、エースストライカーに成長した。当時も今も変わらない信念がある。「下にいるから今はやらないとか、上にいるから今はやるというのは違う」――。試合に出ようが出まいが、自分に足りないものを常に考えて練習してきたから今がある。

　新チーム結成時、主将に立候補して大役を任されたことも成長を後押しした。ピッチ外では日本代表やJリーグの試合について仲間へ積極的に話しかけ、プレーについて語り合うなどコミュニケーションが増えた。全体練習後の自主練習も毎日欠かさない。中務雅之監督（41）は「まだまだ甘い部分もありますが、常に明るくてがむしゃら。それが彼の魅力」と信頼を置き、大舞台での爆発に期待を寄せる。

　大阪大会決勝直前の控室では「阪神が日本一になったし、今年は俺らの年やで！」とチーム内で機運を高め、栄冠をつかみ取った。阪神を38年ぶりの日本一へ導いた岡田彰布監督の“アレ”が流行語大賞に輝くなど、猛虎が席巻した23年度のスポーツシーン。高校サッカーでも大阪の“タテジマ戦士”が話題をかっさらう。

　◇水永　直太朗（みずなが・なおたろう）2005年（平17）7月11日生まれ、大阪府枚方市出身の18歳。6歳から西長尾FCでサッカーを始め、長尾西中では宇治FCに所属。東海大大阪仰星では2年春から試合に出場し、3年からレギュラー。好きな選手はハリー・ケイン（バイエルン）。1メートル77、64キロ。利き足は右。