ヴィアマが昇格初年度で1部優勝 ニッパツは痛恨の連敗で2位 静岡のFW土屋が22ゴールで得点王に【プレナスなでしこリーグリポート(10月)】
2024年10月25日 12:00
サッカー
第19節終了時点で2位のニッパツに勝ち点2差に迫られたが、窮地に立たされてから踏ん張った。10月6日の第20節、伊賀FCくノ一三重戦は前半だけで4得点を挙げて快勝。優勝が決定してから迎えた10月13日の第21節、ホーム最終戦のオルカ鴨川FC戦は激しいゴールの奪い合いとなったが、4-3で競り勝った。試合後の優勝セレモニーでは、FW嘉数飛鳥主将に優勝トロフィーが贈られた。いちご宮崎新富サッカー場にはなでしこリーグ今季最多の3479人が詰めかけ、多くのサポーターとともに優勝の喜びを分かち合った。
なでしこリーグの髙田春奈理事長は「昨年、2部に参入後1年で優勝され、また今年、1部に昇格後すぐの2年連続優勝という偉業は、女子サッカーの歴史においてもまれにみる快挙だと感じます。選手、スタッフの皆様のたゆまぬ努力と、自治体やパートナー企業をはじめとする地域全体の応援、サポート、あらゆる力が結集しての結果に心からの感謝と敬意を表し、関わる全ての皆様に心からおよろこび申し上げます」と祝福した。
総得点はリーグ最多の55点を挙げた。総失点25はリーグ5位だったが、それを補って余りある1試合平均2.5得点の圧倒的な攻撃力が光った。元なでしこジャパンのFW齊藤夕眞はリーグ2位の20得点、FW嘉数主将は8得点をマーク。水永監督はリーグ戦を振り返り「開幕戦のスフィーダ戦で勝利して、勢いに乗って10連勝を達成しましたが、その後、なかなか勝てない時期もありました。それでもしっかり選手たちがプレッシャーに打ち勝って乗り越えた結果が優勝という形になったと思います」と選手の成長を感じ取っていた。
クラブ創設は20年12月。21年からホームタウンである新富町のバックアップを受けており、選手は「地域おこし協力隊」として町から雇用されている。収入面で安定した環境が確保されていることでサッカーに打ち込むことができ、21年から九州2部、九州1部、なでしこ2部と無敗で勝ち上がった。ホームタウンの協力なくしてはなし得なかった栄冠だった。
1部4年目のニッパツは、終盤で失速した。第20節に朝日インテック・ラブリッジ名古屋に3-4で競り負けると、第21節は静岡SSUボニータに0-3で完封負け。ヴィアマ以外には負けていなかったチームが、今季初の連敗を喫して初優勝を逃した。第22節はスペランツァ大阪を1-0で破り、ヴィアマと勝ち点5差、過去最高となる2位で終えた。総失点20はリーグ最少だった。
昨年2位の名古屋は第20節からの3連勝でニッパツと勝ち点で並んだが、得失点差で3位となった。昨年の覇者・オルカは8位に終わった。22ゴールを挙げた静岡のFW土屋佑津季が初の得点王に輝いた。