ヴィアマが昇格初年度で1部優勝 ニッパツは痛恨の連敗で2位 静岡のFW土屋が22ゴールで得点王に【プレナスなでしこリーグリポート(10月)】

2024年10月25日 12:00

サッカー

ヴィアマが昇格初年度で1部優勝 ニッパツは痛恨の連敗で2位 静岡のFW土屋が22ゴールで得点王に【プレナスなでしこリーグリポート(10月)】
昇格初年度なでしこリーグ1部優勝を成し遂げたヴィアマテラス宮崎イレブン Photo By 提供写真
 第20節から第22節までの18試合が行われ、2024年シーズンの全日程が終了。今季初めて1部に昇格したヴィアマテラス宮崎が16勝1分け5敗の勝ち点49で初優勝を飾った。第21節第1日の10月12日に勝ち点5差で2位につけていたニッパツ横浜FCシーガルズが敗れたため、この時点で優勝が決定した。ヴィアマは初めて2部に昇格した昨季も優勝。2部から初昇格のチームが1部で優勝するのは初の偉業となった。
 22年から指揮を執る水永翔馬監督は「シーズン初めに掲げた〝なでしこリーグ1部優勝〟というところを達成することができ、非常にうれしく思っています。選手、スタッフ、ホームタウンの新富町をはじめ、応援していただいた全ての皆様で勝ち取った優勝だと思っています」と感謝の言葉を口にした。

 第19節終了時点で2位のニッパツに勝ち点2差に迫られたが、窮地に立たされてから踏ん張った。10月6日の第20節、伊賀FCくノ一三重戦は前半だけで4得点を挙げて快勝。優勝が決定してから迎えた10月13日の第21節、ホーム最終戦のオルカ鴨川FC戦は激しいゴールの奪い合いとなったが、4-3で競り勝った。試合後の優勝セレモニーでは、FW嘉数飛鳥主将に優勝トロフィーが贈られた。いちご宮崎新富サッカー場にはなでしこリーグ今季最多の3479人が詰めかけ、多くのサポーターとともに優勝の喜びを分かち合った。

 なでしこリーグの髙田春奈理事長は「昨年、2部に参入後1年で優勝され、また今年、1部に昇格後すぐの2年連続優勝という偉業は、女子サッカーの歴史においてもまれにみる快挙だと感じます。選手、スタッフの皆様のたゆまぬ努力と、自治体やパートナー企業をはじめとする地域全体の応援、サポート、あらゆる力が結集しての結果に心からの感謝と敬意を表し、関わる全ての皆様に心からおよろこび申し上げます」と祝福した。

 総得点はリーグ最多の55点を挙げた。総失点25はリーグ5位だったが、それを補って余りある1試合平均2.5得点の圧倒的な攻撃力が光った。元なでしこジャパンのFW齊藤夕眞はリーグ2位の20得点、FW嘉数主将は8得点をマーク。水永監督はリーグ戦を振り返り「開幕戦のスフィーダ戦で勝利して、勢いに乗って10連勝を達成しましたが、その後、なかなか勝てない時期もありました。それでもしっかり選手たちがプレッシャーに打ち勝って乗り越えた結果が優勝という形になったと思います」と選手の成長を感じ取っていた。

 クラブ創設は20年12月。21年からホームタウンである新富町のバックアップを受けており、選手は「地域おこし協力隊」として町から雇用されている。収入面で安定した環境が確保されていることでサッカーに打ち込むことができ、21年から九州2部、九州1部、なでしこ2部と無敗で勝ち上がった。ホームタウンの協力なくしてはなし得なかった栄冠だった。

 1部4年目のニッパツは、終盤で失速した。第20節に朝日インテック・ラブリッジ名古屋に3-4で競り負けると、第21節は静岡SSUボニータに0-3で完封負け。ヴィアマ以外には負けていなかったチームが、今季初の連敗を喫して初優勝を逃した。第22節はスペランツァ大阪を1-0で破り、ヴィアマと勝ち点5差、過去最高となる2位で終えた。総失点20はリーグ最少だった。

 昨年2位の名古屋は第20節からの3連勝でニッパツと勝ち点で並んだが、得失点差で3位となった。昨年の覇者・オルカは8位に終わった。22ゴールを挙げた静岡のFW土屋佑津季が初の得点王に輝いた。

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