豪栄道 師匠との絆でつかんだ大関 「大和魂」で初Vへ、横綱へ
2014年07月31日 05:30
相撲
大和魂という3文字。その言葉に込めた思いについて、新大関は「日本人の我慢強さや潔さなど、いろんな意味がこの言葉にはこもっている」と説明した。師匠の境川親方(元小結・両国)、おかみの小林美奈子さんと一緒に考え抜き、本番までに10回以上も練習した。
秋場所からは白鵬、日馬富士、鶴竜のモンゴル勢3横綱に、稀勢の里、琴奨菊、豪栄道の日本勢3大関という構図になる。ただ、大和魂は3横綱への対抗意識から出た言葉ではない。豪栄道は「外国人に対するものではなく、自分自身に大和魂が必要だと思った」と強調した。もっとも、周囲から期待されるのは、06年初場所の栃東以来の日本出身力士の優勝、そして貴乃花が引退した03年初場所以来途切れている日本人横綱だとも理解している。
大関は師匠との絆でつかんだ。境川親方は稽古場では鬼になるが、普段は男気あふれる親分肌。野球賭博問題関与による謹慎処分で豪栄道が打ちひしがれた10年には一緒に涙を流したほどだ。「一緒に泣いて一緒に喜んでくれる熱い人」と豪栄道は言う。だからこそ相撲で恩返ししようと精進してきた。
30日、52歳の誕生日を迎えた師匠は「自分の強さを過信せず、稽古を一生懸命やった。相撲の神様が見ていてくれた」と愛弟子の努力を認めた。昇進を祝う乾杯の音頭が取られた後に、弟子から自身の誕生日ケーキが出されると、「いらん!きょうは豪太郎の日なんだ」と拒否した。ただ、いざ新大関が隣に座ると「最高の誕生日プレゼントを頂きました」と感無量の表情。まさに2人の晴れ舞台だった。
師匠が「夢は諦めずに追い掛けないといけない。夢で終わったら意味がない。やってくれる男」と鼓舞すると、新大関も「次は優勝」と断言した。本物の親子のような強い絆を持つ師弟が、一切の妥協をせずに頂点を目指す。
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