錦織、自身初ツアー同一大会V3王手 決勝へ「気負いない」
2015年02月16日 05:30
テニス
3連覇へ王手をかけた。男子シングルス準決勝が行われ、世界ランク5位で第1シードの錦織圭(25=日清食品)が同41位のサム・クエリー(27=米国)に5―7、7―6、7―6で逆転勝ちし、決勝に駒を進めた。15日午後3時(日本時間16日午前6時)以降の決勝では同15位で第2シードのケビン・アンダーソン(28=南アフリカ)と対戦する。すべてフルセットで勝ち上がってきた日本のエースは、自身初のツアー同一大会3連覇へ死力を尽くす。
なんとか決勝に駒を進めた。錦織は合計27本のサービスエースを浴びても諦めなかった。強打に耐えて逆転の可能性を探り続けた。最後は相手のリターンが外れ、日本のエースは安どの表情を浮かべた。2時間41分の熱戦を制し「集中力を切らさずに一つのチャンスを待つことができた」と精神力の勝利を強調した。
第2セットに続いてもつれ込んだ第3セットのタイブレーク。2―4と先行を許したが「自分からミスをしてはいけない場面。リスクを冒さずにプレーした」と冷静さを失わなかった。そこから相手のミスも続き、4連続ポイントを奪って優勝につなげた。
世界ランク5位となり、対戦相手からは追われる立場となった。昨季から指導を受けるマイケル・チャン・コーチとは細かい技術から見直し、今季も1月の全豪オープン前にはサーブの際のラケットの握り方を変更した。同コーチは昨季終盤に「戦略的に変えたり、意識的にメンタリティーを変えて、取り組む意識を変えた」と話し、精神面の変化にも期待していた。今大会は初戦の2回戦から3試合連続で逆転勝利と苦戦を強いられているが、勝負どころでの粘り強さは際立ち、3年連続の決勝へとたどり着いた。
今大会はサーブの調子に波があり、ストロークも本調子からは遠い。第2セットの第9ゲーム後には左足小指の治療を受けた。「大丈夫。問題ない」と話したが、プレー中には足だけでなく腹筋を気にするしぐさもあった。3試合連続のフルセットの逆転勝ちで疲労は隠せない。それでも、世界5位のプライドが足を動かしている。
自身ツアー初の同一大会3連覇まであと1勝。決勝では大会前にともに練習した第2シードのアンダーソンと対戦する。相手は2メートル3の長身で、昨季のサービスエースは723本でランキング5位に入ったビッグサーバー。現在は世界ランクの自己記録を更新中と勢いがある。初対戦となる錦織は「気負いはない。まあ、できなくても」とタイトルへの執着はない。目の前のポイントを一つずつ重ねた先に、3年連続の頂点が待っている。
▽錦織のATPツアー決勝 これまで決勝進出は11回あり、7勝を挙げている。昨年は決勝進出6回中4回で頂点に立った。世界ランク1位のジョコビッチ(セルビア)の決勝成績は48勝22敗、同2位のフェデラー(スイス)が83勝41敗、同3位のナダル(スペイン)が64勝28敗となっている。
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