稀勢の里 10年ぶり日本出身力士Vへ順調仕上がり
2016年01月05日 05:30
相撲
初場所で日本出身力士が優勝しなければ丸々10年間も外国出身力士が続けて賜杯を抱くことになる。そんな状況に歯止めをかけるべく、稀勢の里が闘志を燃やしている。
3日間連続で行われる二所ノ関一門連合稽古の初日。まずは新関脇の嘉風を稽古相手に指名した。3場所連続三賞受賞で勢いにのる33歳に稽古序盤こそ敗れる場面があったものの、やはり地力の差は歴然。左四つに受け止めて冷静に寄り切る相撲を連発し、7連勝を含む8勝2敗で圧倒した。その後は同じ日本人大関の琴奨菊と三番稽古。10番続けて取って圧力負けした相撲は2番だけで、そのほかの8番は重い足腰でがっちり受け止めて完勝し続けた。稽古を終えると「まあまあじゃないですか。それなりにできた」と手応えを口に。他の横綱大関陣は、いずれもケガなど不安を抱えている状況だが、29歳の大関は至って順調だ。
この10年。モンゴル出身が56回(白鵬が35回、朝青龍10回、日馬富士7回、鶴竜2回、旭天鵬1回、照ノ富士1回)、ブルガリア出身の琴欧洲とエストニア出身の把瑠都が1回ずつ優勝した。和製力士にとって不遇の時代は10年未満になるか10年以上になるか。その命運は稀勢の里に懸かっていると言っていい。
過去に準優勝相当の成績は8度もあるが、そのたびに勝負どころで敗れて賜杯を逃してきた。日本の国技で日本出身力士が優勝できないことについて、大関は「常々言われます。しっかりと納得できる成績を残せるようにしたい」と自覚は十分。そして新年の初夢を見たか?と問われると「夢は見るものではない」と一言。今年こそ重圧に打ち勝ち、自身の力で初夢Vをかなえる。
▽日本出身力士の優勝争い 稀勢の里は過去に8度も準優勝相当の成績を残しているが、優勝決定戦進出はない。12年夏場所は11日目まで後続に2差をつけてトップを走ったが、終盤崩れて旭天鵬に優勝をさらわれた。13年夏場所は白鵬との14日目全勝決戦で敗北。14年夏場所も12日目の白鵬との1敗対決に負けて優勝を逃した。稀勢の里以外でも06年夏場所に雅山が14勝1敗で決定戦に進出するも、白鵬に黒星。10年九州場所にも豊ノ島が14勝1敗で決定戦に挑んだが、こちらも白鵬の壁にはね返された。12年夏場所は栃煌山が旭天鵬との史上初の平幕同士による決定戦に臨んだが、はたき込みで敗北した。
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