萩野 天性の足首の柔軟性と持久力で世界の頂点へ
2016年08月08日 09:13
競泳
「怪童」と呼ばれた男には生まれながらに携えた武器があった。生後6カ月で通い始めた地元・栃木県小山市のイーグルスポーツプラザ。親子10人が参加するベビークラスで、最も推進力があったのが萩野だった。コーチの坂本優美子さんは「足首が凄く柔らかかったのを覚えています」と言い、2歳半で担当した仲里幸恵さんも「水面から顔が出ると普通は足が沈みますが、公介君は顔を上げたまま、キックだけで進んでいた」と振り返る。瀬戸が「フィンみたい」と絶賛する足首の柔軟性は両親から授かった宝物だ。
また持久力も高かった。小1の夏に愛知県へ引っ越し、全国クラスの選手を輩出する「イトマン鯱」に入門した。担当コーチの祖父江未来さんは高学年と一緒に練習させて、長い時は1日10キロを泳ぎ込んだが、「生き生きしていた」と振り返る。小3で栃木に戻り一緒にロンドンを戦う前田覚コーチの下、小6で初めて腕立て伏せをした時は1、2回で腕が震えたほど「女子レベルの筋力」だった。しかし、トレーニングで見違える。大学1年で行った腹筋テスト。1分間で限界の回数を行い、2分休憩後に同じことをする。1分間で60回以上できるスプリンターもいるが、次は50回に届かない場合がほとんど。だが、1日目に50回しかできなかった萩野は、休憩後の2回目は1、2回落ちただけだった。
現在の肺活量は瀬戸の約6000ミリリットルに対して、約4600ミリリットル。同世代では一般人並みだが、天性のフィンと持久力が世界の頂点へと押し上げた。通常、水をかくときは、下半身が下がるためキックを打つことによって姿勢をフラットに調整する。日本水連の岩原競泳委員は「萩野の場合は尻の位置が高い所にある。萩野は氷の上をスーッと滑るように泳ぐ」と説明。幼少期の逸話と重なるのだが、水面に近い所で泳げるからこそ抵抗は少なく、体力のロスも少ない。外国勢のパワーに勝る技術になっている。
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