【中村真衣の目】池江璃花子 大舞台での自己ベスト連発は強いメンタルの証明

2016年08月08日 13:18

競泳

【中村真衣の目】池江璃花子 大舞台での自己ベスト連発は強いメンタルの証明
<水泳>6位に終わるも笑顔の池江
リオデジャネイロ五輪競泳 女子100メートルバタフライ決勝
(8月7日)
 女子100メートルバタフライの池江選手は、メダルに届いたかなと思いましたが、惜しかったです。それでも、高校生で、初めての五輪で、これだけのレースをこなして、準決勝に続いて決勝でも自己ベストを記録したのは素晴らしい。

 実は、大会前から注目されていたので、押しつぶされてしまうのでは、と心配していました。口では緊張していると言っていますが、コメントを聞く限り、物おじせず、落ち着いている。強いメンタルを持っていると感じます。

 わたしが初めて五輪に出場したのは、1996年アトランタ五輪、高校2年生の17歳でした。当時は、女子のピークは中・高校生とされ、高校生代表が珍しくなかったという時代の違いはあります。それでも、そのころと比べ、池江選手には落ち着きがあります。

 アトランタの女子は、バタフライの鹿島瞳さんら、世界ランク1位のタイムを持った選手が複数いて、メダルラッシュを期待されました。でも、結果は鹿島さんとわたしの4位が最高。今、思えば、五輪代表に選ばれた楽しさに流され、まとめる人もいなくて、本気で臨んだとは言えない状態だったと思います。

 それを思うと、同年代の池江選手の落ち着きが際立ちます。若さが生み出す勢い、体力はあると思いますが、予選で出した自己ベストを決勝で更新できない選手がいる中で、これだけ自己ベストを出せる池江選手は、精神的な強さを持っていると感じています。

 同年代でジュニア時代からのライバル、オレクシアク選手(カナダ)が銀メダルを獲り、池江選手は世界での自分のレベルを確認したでしょう。今大会、そして東京五輪に向け、池江選手には、日本を引っ張っていく選手になることを期待しています。(00年シドニー五輪女子100メートル背泳ぎ銀メダル)

おすすめテーマ

2016年08月08日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム