日本ラグビー界が取り組むべき課題 20代前半で代表レギュラーを張れる育成体制を
2017年03月10日 11:00
ラグビー
ジュニア・ジャパンがフィジーへ出発する前日の3月1日には、チームミーティングにジョセフ氏が現れ、「君たちの世代が19年に対して本気を見せてほしい」とハッパを掛けたそうだ。たとえ一言、二言であれ、時の日本代表の指揮官が直接発せられる言葉は、若い選手にとって強いメッセージになる。現実的にも4、5月のアジア選手権のために編成される日本代表には、ジュニア・ジャパンから何人かが抜てきされるだろう。「チームジャパン2019総監督」としてのジョセフ氏が、ようやく始動した感がある。
ただもちろん、残された時間は決して多くない。2月25日のスーパーラグビー開幕戦。サンウルブズが17―83と大敗した王者ハリケーンズ(ニュージーランド)の強さには舌を巻いたが、さらに衝撃的なのは選手層厚さだった。例えばフルバックで先発したジョーディー・バレット。試合の8日前に20歳の誕生日を迎えたばかりの選手だが、昨年にはニュージーランド国内リーグのMVPと最優秀新人賞を獲得。あの日がスーパーラグビーデビューだったが、プレー面での未熟さを感じる場面は一切なかった。
バレットは97年2月生まれ。日本ならば大学2年生の世代だ。彼がラグビー王国ニュージーランドにおいても世代を代表する選手であることは間違いないが、例えば同じ世代の日本人選手で、スーパーラグビーで通用する選手がいるだろうか。ニュージーランドと日本の若年世代における育成体制のレベル差を感じざるを得ない現実だった。
ラグビーは団体競技。日本オリンピック委員会(JOC)が卓球やレスリング選手を対象に08年に創設したエリートアカデミー事業のようなものは、競技特性的にそぐわないかも知れない。ただ19年に間に合わなくても、20代前半から日本代表でレギュラーを張れる選手の育成は必要だ。ニュージーランド生まれのジョセフ氏の知見を生かし、日本協会が具現化していくことが求められる。(記者コラム・阿部 令)
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