【内藤雄士氏が見た勝負の分岐点】松山に足りないクラッチパット

2017年08月15日 08:43

ゴルフ

【内藤雄士氏が見た勝負の分岐点】松山に足りないクラッチパット
全米プロ最終日 後半失速し厳しい表情の松山(AP) Photo By AP
 【米男子ゴルフツアー 全米プロ選手権最終日 ( 2017年8月13日    米ノースカロライナ州シャーロット クウェイルホロー・クラブ=7600ヤード、パー71 )】 松山と、優勝したJ・トーマスとの差は本当に紙一重だった。最終日は流れが変わるポイントが何回もあった。10番のバーディーで逃げ切れそうな雰囲気になったが、11、12、13番の3連続ボギーで後退した。その後、14、15番の連続バーディーで再び1打差に詰め寄ったものの16番でボギーを叩き失速した。
 特に16番は2人ともピンチでJ・トーマスがバンカーからパーセーブしたのに対し、松山は短いパットを外してボギーにしただけにダメージが大きかった。17番でJ・トーマスがバーディーを奪い事実上決着がついた。

 メジャーで勝つために何が足りなかったのか。結果論だが、やはりパットだと思う。トップ5のうち松山だけが、パットのスコアへの貢献度を示すストローク・ゲインド・パッティング(数字が大きい方が良い)の数値がマイナスだった。ミスパットをしているわけではないが、決めればゾーンに入るパットを決めきれなかった。

 今年メジャーに勝ったガルシア(マスターズ)、ケプカ(全米オープン)、スピース(全英オープン)、J・トーマスはサンデーバックナイン(最終日の後半)でクラッチパット(勝負どころのパット)をことごとく決めた。それがメジャー優勝に必要な要素なのだ。

 4日間、松山のゴルフを見て世界ランキング1位になり、キャリアグランドスラムを達成できる選手だと確信した。スピースもマキロイも悔しい敗戦を乗り越えて複数のメジャータイトルを手にした。松山のメジャー優勝も目の前に来ていると思う。(ツアープロコーチ)

 ▽ストローク・ゲインド・パッティング パットのスコアへの貢献度を示す数値。一定の距離からのパットに何打費やしたか計測し、全選手の平均と個々の選手の数値の差で示す。ある距離からのパット数の全選手の平均が1・5なら1パットで決めた選手はプラス0・5、3パットした選手はマイナス1・5になる。ストローク・ゲインド・ティー・トゥー・グリーンはショットの貢献度を示す数値。

おすすめテーマ

2017年08月15日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム