女子モーグル今そこにある危機 里谷、上村からの伝統はつながるか
2017年12月05日 10:20
フリースタイルスキー
![女子モーグル今そこにある危機 里谷、上村からの伝統はつながるか](/sports/news/2017/12/05/jpeg/20171205s00076000070000p_view.jpg)
ただし、ひとつ気がかりな点がある。女子で全日本スキー連盟(SAJ)の五輪派遣基準を満たす選手がまだ1人もいないのである。
里谷、上村の次を担うはずだった伊藤みき(30=北野建設)は、ソチ五輪シーズンに右膝に重傷を負い、1年以上の離脱を経て復帰した今もまだトップフォームには戻っていない。伊藤の後に台頭した星野純子(28=リステル)も昨年1月に左膝のケガがあり、復帰に1年を要した。10代の若手もいるとはいえ、トップレベルにはあと一歩。伊藤や星野の奮起なくしては、女子モーグルの派遣なしという事態もあり得るのである。
ただし切羽詰まった状況ながら、シーズンを迎える彼女たちの表情は意外と明るかった。
「こういうワクワクドキドキは初めて。これこそまさに選手の本質。4年に一度の五輪に出られるかどうか。今が一番選手として面白みがあると思うし、生き様を見せられる」
メダル候補として準備してきたこれまでの五輪とは違う。吹っ切れた笑顔を見せる伊藤は、その挑戦を楽しんでいるようだった。
上村さんもコーチとして参加したシーズン前の合宿では「自分が一番行きたいところに行くために最善の努力をしてほしい」と激励され、客観的な目線での技術面のアドバイスをもらったという。
星野も上村さんに「自信を持って力強く滑れてるからいいね」と背中を押され、練習への向き合い方などでも助言を受けた。「昨シーズンは膝への不安があって思い切りスキーに乗れなかった。膝は良くなる一方で、もうケガをする前とほぼ一緒。去年はガツッ!と滑れなかったけど、今は闘争心メラメラ」と開幕を待ち構えている。
SAJの五輪派遣基準は、昨季と今季における世界レベルの評価対象競技会(W杯、世界選手権)で(1)8位以内1回(2)10位以内2回(3)12位以内3回のいずれかの条件を満たすこと。「飛行機でも、電車でも、這ってでも、とりあえず五輪にたどり着ければいい」と伊藤は言った。W杯は9日のフィンランド大会から開幕する。五輪まで、残されたチャンスは7大会のみである。(雨宮 圭吾)
おすすめテーマ
2017年12月05日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
選手に退場を命じた審判が職務停止 NBAで異例の裁定
-
18年ゴルフW杯は豪州で開催
-
女子モーグル今そこにある危機 里谷、上村からの伝統はつながるか
-
心が一番。それを思い知られた九州場所
-
桐生 飛躍誓う、9秒98のその先へ 次は「9秒8台目指す」
-
東京五輪・パラ組織委、布村副事務総長が乾杯「元気な社会を」
-
ミス日本グランプリ高田さん セレモニー彩る「オーラ感じた」
-
日馬、一両日中に書類送検 起訴求める「厳重処分」意見付ける
-
白鵬、日馬の引退に初言及「どういう言葉をかけていいか…」
-
貴ノ岩 診断書提出されず、前例なしに困惑の春日野広報部長
-
奈紗 堂々のトップ通過「来年の目標は優勝」米女子最終予選会
-
賞金王の優作 MVPなど5部門初受賞 藍さんから賛辞に笑顔
-
小平は4冠 Tドライビング賞に歓喜、マスターズ切符にも前進
-
松山5位 今年最終R飾れず、年明け初戦へ気合「休む暇ない」
-
小平 女子500日本新V&21連勝、低重心走で悪夢振り払う
-
美帆も日本新快走 満足一瞬、世界新へ「もうひと越えしたい」
-
小田 連日の日本新、日本勢快走に「モチベーション上がった」
-
条治 疲労抜け躍動感戻る「体動き始めた」、計画通りの反応
-
サンウルブズ リーチ来季新加入、ジョセフHC「かなり強い」
-
スノボ鬼塚帰国 W杯2位に自信笑み、肘と手首負傷も問題なし
-
ロシアの平昌参加 6日未明発表へ、ローザンヌでIOC理事会
-
大麻問題のスノボ男子選手処分解除、平昌出場は条件満たさず
-
スキー五輪代表 3度に分けて発表、早め内定で腰据えて準備
-
大迫 記録より勝負「目指すべきは瀬古さん」福岡国際から一夜
-
糸数 世界重量挙げ銀から帰国、さらなる進化へ「一からやる」
-
内村 豊田国際競技会欠場「元気な姿見せたい」も左足首治らず
-
「空のF1」室屋に福島県県民栄誉賞 日本人初の年間総合優勝