石川佳純 Tリーグに参戦する理由 決め手は“環境面”「進歩するために」
2018年10月17日 09:30
卓球
「日本で始まる初めてのリーグ。自分自身も、参加できるならしたいと最初から思っていた。普段の練習環境も凄くいい練習ができるかなと思い、出場することに決めた」
木下を選んだ決め手は環境面だ。昨年、神奈川県内に練習場を新設。男子は張本、水谷らハイレベルの選手が所属し、世界的名将の邱建新氏が総監督を務める。
「邱さんに教えてもらって、いろんな面でたくさん吸収したい。同じ左の水谷さんと同じ練習場でやるのは、凄く刺激をもらえると思うし、自分としてもうれしい」
12年ロンドン五輪で団体銀メダルを獲得。日本卓球界初の表彰台に立った。そして、16年リオデジャネイロ五輪でも団体銅メダル。卓球熱の高まりを肌で実感している。
「私のことを卓球選手と知ってくれている方はいたと思うけど、卓球を全くしていない方が“ワールドツアーの優勝おめでとう”とか成績を知ってくれていてビックリ。それは、リオの前はなかったことかな」
世界ランク4位は現在、発表されている出場選手の中ではNo・1。そのプレーに、ファンは熱い視線を送る。
「いいプレーをして、たくさんの方に見てもらえることで卓球が盛り上がると思う。せっかく生で見てもらえるチャンス。盛り上がると凄くうれしいし、凄くパワーになる」
20年東京五輪のシングルス出場権は20年1月の世界ランクで決定。Tリーグでは世界ランクのポイントは得られない。ランクに直結するワールドツアーなど国際大会に向けた調整とリーグのスケジュールは課題となる。
「ワールドツアーとの兼ね合いを見ながら、出られる試合は積極的に出たいし、それが自分にとってプラスになると思っている。できる限り出たい」
卓球のトップ選手を国内で見られる機会は、全日本選手権やワールドツアーの荻村杯などに限定されてきた。
「私の試合を楽しみにしてくださる方も、なかなか海外までは来られない。国内だったら来られる機会も増えるし卓球をしたことのない小さい子供、大人の方にも試合を見てもらえるのは、私にとって一番うれしいこと」
ランクに直結しないからこそ、チャレンジできる場でもある。
「もちろん勝つことが大事だけど、進歩するために変えていきたいところをリーグで試せる。その中で何が良かった、悪かったと振り返ることで、成長を早めてくれる。新しい技術を試合で使うことが一番、覚えが早い」
世界大会でメダルを争うような中国のトップクラスは現状、参戦していない。その中で、打倒・中国の糸口を探る。
「中国の選手は、中国超級リーグを通してレベルアップしている。私の場合は、それがTリーグになる。ライバルがたくさんいて、海外の選手もいる。切磋琢磨(せっさたくま)して、人よりも早くレベルアップできるようにしたい。できたら中国のトップ選手も、いずれTリーグに来てくれたら」
中国にファンクラブが存在するほど人気が高い石川は、中国版ツイッター「微博」で約27万人のフォロワーを持つ。Tリーグをアピールする役目も担う。
「プレーが一番大事だけど、次は見てもらえるために自分ができる努力もしていきたい。今まであまり宣伝とかしていなかったけど、Tリーグは卓球の新しい挑戦だと思うので、選手として盛り上がるように協力できたらいい」
26日の日本ペイントマレッツ戦でTリーグにデビュー。28日には平野美宇を擁する日本生命レッドエルフと対戦する。もちろん、ターゲットは一つだ。
「チームワークを大事にして、初年度優勝することが目標。一戦一戦、全力で頑張っていきたい」
TリーグからTOKYOの表彰台へ。卓球新時代の到来を告げるコートで、石川が躍動する。
≪全農変わらぬ支援≫ 石川は木下アビエル神奈川からTリーグに参戦するが、所属はこれまでと同様に「全農」で、変わらぬ支援を受ける。「所属先からもTリーグで頑張ってきて、と言われた」と石川。また、日立化成の一員として日本リーグにも継続参戦。22日には愛媛銀行戦(松山市)に出場する。
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