暑さ対策 東京五輪マラソン 午前5時半開始も検討

2018年11月22日 05:30

五輪

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は21日、現在の計画で午前7時としている五輪マラソン(女子8月2日、男子9日)のスタート時刻の前倒しを国際オリンピック委員会(IOC)や国際陸上競技連盟などと協議する意向を示した。厳しい暑さに配慮したもので、関係者によると、6時開始とする案を軸に関係機関と本格的な調整に入る見通し。競技団体には、さらに早めてほしいとする意見もあり、5時半とする案も検討する。
 マラソンの開始は招致段階の計画の7時半から7時に早め、7月にIOCの承認を得た。しかし、今夏の猛暑を受け、さらなる対策の必要性が浮上。自民党は大会に合わせたサマータイム(夏時間)導入を検討したが、システム改修が難しいことなどから21日の会合で断念する方針を正式に表明した。

 10月末には日本医師会などが組織委に選手の熱中症のリスクが高いとして開始時刻をさらに1時間半前倒しするべきだとする要望書を提出した。同会は昨夏と今夏にコースで気温を計測。7時開始だと30キロ以降(8時半以降)で、運動を中止すべき「31度以上」やそれに近い気温だったとするデータを提示。組織委では再度の変更について検討を進めていた。

 12月3〜5日に東京で予定されている大会の準備状況を監督するIOC調整委員会と組織委などとの合同会議までに方向性を出すことを目指す。武藤事務総長は「全ての関係者とよく意見交換して、結論を出したい」と語った。

 ○…91年に東京で開催された世界選手権は女子が8月25日の午前7時、男子が9月1日の午前6時スタートだった。今年8月のジャカルタ・アジア大会のマラソンは午前6時スタートで実施。男子で金メダルを獲得した井上大仁(MHPS)は「この時間なら対応できる」と語るなど選手から早朝スタートの調整の難しさを訴える声はほとんどなかった。だが、競技運営に大きな影響が出るのは必至だ。公共交通機関が動いていない時間にどうやってスタッフを集めるかなど課題は多い。

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