メダル期待のスポーツクライミング、五輪へのルート設定で困惑
2019年01月30日 10:00
スポーツクライミング
それぞれの大会で出場権は国にではなく、選手個人に与えられる。昨年の世界選手権ではメダルには届かなかったが、男子で原田が4位、楢崎智が5位、藤井が6位。女子は野口が4位、野中が5位に入った。五輪予選などを含めると男女ともに3人以上が出場権を得る可能性があるが、ここから先の選び方が国際連盟(IFSC)主導なのか、各国主導なのかが決まっていない。
なにしろ、五輪での実施が初めての競技。IFSCにも五輪へのノウハウはなく、日本が保持する男女各1の開催国枠の扱いを含め、細かな情報のアナウンスは現時点でないという。日本山岳・スポーツクライミング協会の安井博志ヘッドコーチは「IFSCと連絡は取っているけど、説明がぼんやりしていて…」とし、「1月にも何か発表できれば良かったのですが…」と困惑の表情を浮かべた。
出場権獲得選手が3人以上になれば、最終選考会を開催して上位2人を代表に選べば明快だが、世界選手権で日本人がメダルを取った場合のアドバンテージは当然、考慮されるべきだろう。20年5〜6月には出場権が懸かるアジア選手権が盛岡で開催。この後に出場権保持者を集めた一発勝負の選考会を開くと、本番までの調整が難しくなる可能性もある。期待が大きいスポーツクライミング。TOKYOへの明確なルート設定には、もう少し時間がかかりそうだ。(杉本 亮輔)