【菊谷崇 キャプテン目線】スコットランドの堅守崩した「我慢強さ」と「高速アタック」
2019年10月15日 08:29
ラグビー
スコットランドは序盤にいくつかジャッカル(タックル後にボールに絡むプレー)に成功した。ボールを奪ったことで、「取れる」と踏んで密集に人数を割いた。ところが、日本のサポート選手の寄りが速く、SH流がスムーズにパスをさばくようになると、密集に人数をかけていた分、駒不足になってスペースが生まれた。日本がそこを突き始めると次第にスコットランドは密集に手数をかけなくなった。
密集の圧力が減ればしめたもの。日本は余計に攻撃のテンポが上がって、次々にスピーディーな連続攻撃を仕掛けた。高速の展開で揺さぶったことで、また新たなスペースが生まれた。相手バックスがその穴を埋めようと上がった瞬間、CTBラファエレがディフェンスラインの裏へグラバーキック。福岡がつかんで、前半終了間際のトライを生み出した。状況判断が素晴らしかった。
9月の南アフリカ戦とW杯開幕ロシア戦では、肉弾戦で苦しめられ、キックで簡単にボールを相手に渡した。その反省だろう。第2戦のアイルランド戦はボールをキープして勝利。継続を、スコットランド戦でも貫いた。
【日本―スコットランド戦VTR】日本は素早い攻めで競り勝った。前半6分に先制トライを奪われたが、巧みにつないでWTB松島、プロップ稲垣がトライを奪って逆転。39分にはCTBラファエレの低いキックを拾ったWTB福岡が決めた。14点リードで迎えた後半は福岡が走り込んで貴重な4トライ目を奪い、その後に2トライを挙げたスコットランドの猛追をしのいだ。
◆菊谷 崇(きくたに・たかし)1980年(昭55)2月24日生まれ、奈良市出身の39歳。フランカー、No・8。御所工(現御所実)―大体大―トヨタ自動車―キヤノン。サラセンズ(英国)でもプレーした。世界規格の突破力、体を張ったプレーで信頼を得た。代表通算32トライは日本歴代3位でフォワードでは最多。11年W杯出場。17年度で引退。日本ラグビー協会リソースコーチ。
おすすめテーマ
2019年10月15日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
錦織圭 ボッティー二氏とのコーチ関係解消「キャリアへの貢献に感謝」
-
パッカーズが5勝目 QBロジャースが2TD ライオンズは微妙な判定に泣く
-
森ラグビー協会会長 20年後にもう一度W杯開催を
-
渡辺雄太がプレシーズンで2度目の出場も無得点 1アシストも連続ターンオーバー
-
ラグビーW杯スコットランド戦は平均39・2% 今年の全番組でトップ 日本勝利の瞬間に最高53・7%
-
【菊谷崇 キャプテン目線】スコットランドの堅守崩した「我慢強さ」と「高速アタック」
-
ラグビーW杯対戦オッズ 日本勝利は4年前の「34倍」から「5・5倍」に
-
ラグビー日本代表 W杯8強で広告価値うなぎ上り!CM1本5000万円クラスも!?
-
リーチ主将 南アにもその次も「全試合勝つ!」日本の成長手応え「怖いくらい強くなっている」
-
稲垣のトライに度肝「サーカスのような技術。日本にしかできない」 大会公式サイトが日本特集
-
南ア監督「タフな試合」予測も打倒日本に自信 “快足”コルビらベストの布陣「いい試合が見られるだろう」
-
南アの「ビースト」ムタワリラ 日本代表の「強いスクラム」警戒
-
藤井強化委員長 「8強」入り称える「次は失うものが全くない。楽しんでほしい」
-
日本8強を各国絶賛「日本は疑いなくティア1」 敗れたスコットランドからも「語り継がれる試合」
-
スコットランドの「日本キラー」レイドローが代表引退を示唆 英紙報じる
-
八村、初Wダブル!!10得点&両軍最多12リバウンド 23日開幕戦へ手応え
-
国学院大、3大駅伝初V アンカー土方主将、残り700メートルで駒大を大逆転!!
-
師弟対決敗れた 駒大・八木監督「勝ったのはアッパレ。恩返しされました」と苦笑
-
鶴竜 ラグビー日本の南ア戦“金星”を期待 稲垣と同郷の豊山「メンタル強い」
-
栃ノ心、32歳誕生日「気持ち強く」大関復帰目指す
-
ビックカメラ高崎、決勝T進出決定 2位に豊田、デンソー、ホンダが並ぶ
-
日本男子バレー ブラジルに敗れメダル逃す
-
子供たちと交流 錦織、復帰へ英気 フェデラーは五輪明言
-
100メートル背泳ぎ、入江優勝 競泳男子W杯
-
競泳・瀬戸大也支える“内助の功” 優佳夫人明かす勝ち飯の隠し味は「笑顔」