立呼び出し 秋巡業で後輩2人に暴力行為 客席で朝食を注意、10日から休場

2019年10月16日 18:29

相撲

立呼び出し 秋巡業で後輩2人に暴力行為 客席で朝食を注意、10日から休場
立呼び出しの拓郎 Photo By スポニチ
 日本相撲協会は16日、立呼び出しの拓郎(63=春日野部屋)が現在行われている秋巡業で、幕下と序二段の呼出に暴力を振るったと発表した。
 相撲協会によると、暴行があったのは、今月8日に興行が行われた新潟・糸魚川市の会場。午前7時ごろ、序二段呼び出しが客席のイスに座って食事をしていたのを見つけた拓郎が「なんで、こんなところで食事をしているんだ」と注意しながら頭部を拳で1回殴った。近くにいた幕下呼び出しには「兄弟子が見ていて、なぜ注意しないのか。しっかり見てやらんか」と言って背中を1回叩いたという。

 2人ともケガはなかったが、幕下呼び出しは協会職員に報告。協会職員から連絡を受けた入間川親方(元関脇・栃司)が春日野巡業部長(元関脇・栃乃和歌)に通報した。春日野巡業部長が当事者を呼んで話を聴いたところ、事実を大筋で確認できたため、鏡山コンプライアンス部長(元関脇・多賀竜)に報告した。この時点で拓郎は2人の呼出に謝罪。拓郎は9日に自宅謹慎を言い渡され、10日の千葉市の興行から休場となった。

 拓郎は15日になって「協会が暴力の根絶に取り組んでいる中、呼び出しトップで指導する立場にありながら暴力を振るい、大変申し訳ありません。退職して責任を取りたい」と相撲協会に文書で退職の意向を示した。

 この事案を受けて、八角理事長(元横綱・北勝海)はコンプライアンス委員会の青沼隆之委員長(元名古屋高検検事長)に事実関係の調査と処分意見の答申を委嘱した。拓郎からの退職の意向は「預かり」とし、コンプライアンス委員会の処分意見の答申を受けた後に開く理事会で処分などについて審議することになる。

 最近では、十両・貴ノ富士が同じ千賀ノ浦部屋の付け人に暴行などを起こし、11日に自主的に引退したばかり。相撲協会は今回と元貴ノ富士の両事案を踏まえ、九州場所後までに暴力問題再発防止の強化策を取りまとめることになった。

 呼び出しは取組前に力士のしこ名を呼び上げるだけでなく、土俵の構築など土俵に関する任務に従事している。現在は計43人が在籍している。拓郎は1975年春場所に三保ケ関部屋で初土俵を踏んだ。2013年10月、三保ケ関部屋の閉鎖により春日野部屋に転属。15年九州場所から呼び出しの最高位である立呼び出しを務めている。

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