サントリー・バレット、ついに日本降臨!1トライ含む21得点で75点大勝けん引
2021年02月22日 05:30
ラグビー
「やっと開幕戦を迎え、チームメートと戦えたことは感慨深い。ファンの前でプレーできてうれしい」
パス、ラン、キックを絶妙な配分で使い分け、リーグ随一の攻撃力を誇る自軍バックスの能力を引き出した。この日は外側のスペースを見抜き、基本的にパスを選択。交代直前には跳び上がってインターセプトを狙った相手の上を通す右手一本のループパスで外へとつなぎ、WTBリーのトライにつなげた。
一方で自ら持ち込む時は、味方も虚をつかれるほどの急加速でラインブレーク。前半5分には一瞬で対面を外して裏へ抜け、CTB中村亮にオフロードパスを通し、流のトライを演出。前半ロスタイムには自ら仕掛けて初トライも挙げた。中村亮主将も「10番としてしっかりコントロールしてくれるし、ランナーとしても優秀」と絶大な信頼を寄せた。
1月の入団会見で「一番プレーしたいのはSO」と言い切ったように、23年W杯で10番を背負うことが大目標だ。19年W杯は全5試合、昨年も5試合中4試合は15番での先発。司令塔の能力を磨くため、アグレッシブに攻めるサントリーのスタイルは最適で、フランスからの誘いを断り来日した。「日々改善、向上できるように意識している」と謙虚に語るところも、スーパースターたるゆえんだ。
3季ぶりの優勝を目指すチームにも、この上ない補強であることを証明したバレット。「最後のTLなので、同僚と素晴らしい経験を共有したい」。“プレミアム”な最後のリーグ王者を目指す戦いが幕を開けた。
《引退ダン・カーターに惜別》かつてのオールブラックス不動の10番で、神戸製鋼でもプレーしたダン・カーターが20日に引退を発表。前日、本人にメッセージを送ったというバレットは「世界でベストの10番だった。同僚でもあり、対戦相手でもあったが、たくさんのことを学んだ。残念だが、功績は残る」と惜しんだ。カーターのテストマッチ通算1598得点は世界歴代最多。バレットは、同国代表歴代3位でも649得点と半分にも及ばないが、トライ数は36でカーターの29を上回る。プレースタイルは異なるが、今もその背中を追う。「小さな頃から尊敬し、ああいう選手になりたいと思っていた」。偉大な先輩の現役中に10番を奪うことはできなかったが、日本で日々精進するモチベーションが、また一つ加わった。
◆ボーデン・バレット 1991年5月27日生まれ、ニュージーランド・ニュープリマス出身の29歳。幼少期に父の勧めで競技開始。10年に7人制代表に初選出され、11年にハリケーンズでスーパーラグビーデビュー。12年6月のアイルランド戦でオールブラックスデビュー。W杯には15、19年大会に連続出場。通算88キャップ、36トライ、649得点。16、17年ワールドラグビー世界最優秀選手。ポジションはSO/FB。1メートル86、92キロ。弟のスコット、ジョーディーもニュージーランド代表。
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