池江、勝った!復帰わずか半年、東京五輪への思い再点火「狙っているところはみんな一緒」

2021年02月22日 05:30

競泳

池江、勝った!復帰わずか半年、東京五輪への思い再点火「狙っているところはみんな一緒」
女子50メートルバタフライで日本学生新記録を樹立し、表彰状を手にスタンドに手をふる池江璃花子 Photo By 代表撮影
 【競泳・東京都オープン最終日 ( 2021年2月21日    東京辰巳国際水泳場 )】 白血病からの完全復活を目指す池江璃花子(20=ルネサンス)が、非五輪種目の女子50メートルバタフライ決勝で25秒77をマークし、復帰後初優勝を飾った。昨年8月のレース復帰から5戦目で初出場となった同種目で、本年度日本ランク1位の好記録。東京五輪代表選考会となる4月の日本選手権(3~10日、東京アクアティクスセンター)は50メートル、100メートルの自由形とバタフライの4種目の出場権を手にし、今夏の五輪に向けて前向きな言葉を並べた。
 わずか半年で頂点に返り咲いた池江が、東京五輪に向けて復帰後初めて前向きな言葉を並べた。あくまで24年パリ五輪を目標としつつ「アスリートとして狙っているところはみんな一緒だと思うので、それに向けて全力で頑張る」。新型コロナウイルス対策で無観客の会場には拍手喝采もメダル授与もない。それでも唯一無二の栄冠に晴れやかな笑みを浮かべた。

 「どんな試合でも1位を獲ることは物凄くうれしいこと。決勝で1位を獲ってタイムもついてきたことは自信になります」

 圧巻の泳ぎで中盤から抜け出すとぐんぐん加速した。50メートル中わずか1回の呼吸後もテンポを落とさず、2位に1秒17の大差をつけてフィニッシュ。自身が持つ日本記録まで0秒66に迫る25秒77は19年世界選手権の決勝進出ラインを上回る好記録で、「5秒台が出るとは思っていなかったのでビックリしたし、うれしい」と破顔。今年の目標に「50メートル種目の王座奪還」を掲げる中で本年度の日本ランクで1位のタイムをマークし「まずはバタフライで一つクリアできた。今の状況なら85点はあげても良いかな。徐々に戻ってきている」と手応えを強調した。

 前日に復帰後初出場した本命種目の100メートルバタフライは59秒44で3位だったが、スプリント系の練習に取り組んできた成果を50メートルで発揮。身長1メートル72に対し両腕を広げたウイングスパンは1メートル86、肩の可動域の広さといった天性の才能も合わさり、学生中心のレースでいきなり世界レベルの泳ぎを見せた。

 盟友の存在も池江に火をつけた。闘病生活を送っていた19年、世界選手権に出場した100メートルバタフライ世界記録保持者のサラ・ショーストロム(27=スウェーデン)らから「ネバーギブアップ」などの言葉を送られた。そのショーストロムが今月に右肘を骨折。池江は「直前に迫った大きい大会の前にケガをした彼女の気持ちは凄く分かる」とし、リハビリに取り組む姿に「サラの分までという気持ちになりました」と明かした。

 4種目の出場権を得た日本選手権の出場を明言した。種目は未定だが「出るからには良い位置を狙いたい」とキッパリ。誰もが驚く速さで、第二の水泳人生を駆け上がっていく。

 ▽競泳の東京五輪への道 東京五輪代表選考会である日本選手権(4月3~10日)の決勝で、個人種目では日本水連が定めた派遣標準記録を突破し、2位以内に入れば五輪代表に内定する。女子100メートルバタフライの派遣標準は57秒10。400メートルメドレーリレーは個人種目の突破者がいない場合、バタフライで57秒92が派遣記録となる。女子100メートル自由形の派遣標準は53秒31。400メートルリレーは100メートル自由形の上位4人合計で3分37秒68を突破すれば当該選手が選出され、該当しない場合は54秒42の派遣標準で選ばれる。

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