女子100障害・寺田明日香 日本人初の陸上短距離「ママ」で五輪へ 「12秒84」の壁に挑む
2021年05月08日 10:00
陸上
しかし、11年に右足を剥離骨折。ケガの影響でタイムを落とし、五輪切符を逃してしまった。
「走ってもうまくいかないのがわかっている。トラックを見るのも嫌で、陸上のことを考えたくないという感じでした」
失意の中、23歳の若さで引退を決意。その翌年、峻一さんと結婚し、長女・果緒ちゃんを出産した。
幸せな家庭を手に入れて、一度は断ち切った五輪への思い。だが、出産から半年後のイベントで10メートルダッシュをすると、一般人よりも遅かった。寺田は「引退してからの夢が、子どもの運動会で突然参加してきた母ちゃんが、めちゃ速い、『あの母ちゃんは誰だ』と言われるのが夢だった」とし、トレーニングを再開した。
そして、引退から5年が経った18年に陸上への本格復帰を決断。19年6月に出場した6年ぶりの日本選手権で3位。その3カ月後の山梨で行われた「富士北麓ワールドトライアル」で日本新記録の12秒97を出した。「ママさん」での日本記録更新は前例のない快挙だった。
それでも東京五輪出場には高い壁がある。参加標準記録の12秒84。0.13秒の開きを埋めるため、フォームの改造に着手。ハードルを「真っすぐ飛ぶ」のではなく「跨ぐように飛ぶ」ハードリングを目指す。そのために徹底的にスプリント力を磨いた。その効果が現れたのは昨年の全日本実業団。エントリーしたのはハードルではなく100メートル走。そこでトップ争いに食い込み、11秒台の好タイムを記録する3位だった。
今シーズンの初戦だった4月29日の「陸上織田記念国際」では、ハードルにぶつかりバランスを崩しながらも、自身の日本記録を0秒01更新する12秒96。参加標準記録突破とはならなかったが、寺田は「まだいけるなと。自信になりました」と手応えを口にした。
次なる戦いは9日、新国立競技場で行われる「東京2020テストイベント READY STEADY TOKYO-陸上競技」だ。「12秒84を狙っていきたい。(参加標準記録を)切ります」と言い切る寺田の走りに注目だ。
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