涙の復活V!19年賞金女王・鈴木愛 1年8カ月ぶり美酒に「やっと泥沼から抜け出せた」

2021年07月05日 05:30

ゴルフ

涙の復活V!19年賞金女王・鈴木愛 1年8カ月ぶり美酒に「やっと泥沼から抜け出せた」
今季初優勝を飾った鈴木(撮影・村上 大輔) Photo By スポニチ
 【女子ゴルフツアー 資生堂レディース最終日 ( 2021年7月4日    神奈川県 戸塚CC=6570ヤード、パー72 )】 第1ラウンド(R)の残りと最終Rが行われ、1打差2位から最終Rをスタートした鈴木愛(27=セールスフォース)が1イーグル、3バーディー、1ボギーの68で回り、通算10アンダーで今季初優勝をつかんだ。19年11月以来、約1年8カ月ぶりの通算17勝目。1打差の2位には勝みなみ(23=明治安田生命)と西郷真央(19=大東建託)が続いた。悪天候により第1Rが2日連続で順延された影響で36ホールの短縮競技となり、賞金加算は規定により50%となる。
 19年11月にシーズン7勝目を挙げて2度目の賞金女王を戴冠。鈴木はそこから1年以上、勝利のない時期が続くとは予想もしていなかった。苦しみ抜いて、やっとつかんだ一勝。1年8カ月ぶりの優勝スピーチではあふれる涙が止まらない。

 「味わったことのないくらい、毎日苦しくて。もうゴルフをやめようかなって考えていた。長かったなあ…。やっと泥沼から抜け出せたなって思います」

 1打差を追って出ると、前半で3つ伸ばして単独首位に立った。しかし、14番でボギーを叩いて2位に後退。それでも集中は切れない。16番パー5で残り97ヤードの第3打をPWで直接カップに沈めた。前日の13番に続く、2日連続のイーグルで単独首位に浮上。17、18番と1メートル強のシビアなパーパットを沈め、首位から2打差に17人がひしめいた混戦の最終ラウンドを制した。

 ちょうど1年前に東京五輪代表圏内の15位だった世界ランキングは、未勝利だった今大会までの間に50位に降下。「ゴルフのことを考えるのがつらかった。落ちこぼれた自分を感じるのが怖くて」というほどの不振に陥った。キャディーや他選手に毎試合ごとに「何が悪いですか?」と聞き回る。パットの名手がパターを7本替えた。それでも、答えは出ない。ツアーきっての練習の虫。心を奮い立たせ「練習しかない」と球を打ち続けた。

 きっかけはメンタルの変化だった。5月に上田桃子が約2年ぶりの優勝。尊敬する先輩の優勝記事を読んで「桃子さんもこんなに苦しんでたんだ」と勇気をもらった。友の助けもあった。中学時代からの友人の飛田愛理さん(26)にツアーで初めてキャディーを依頼。「楽しく回れた」と、精神面でのゆとりにつながった。

 「本当に練習してきて良かった。この一勝で新しい道が開けた。(通算)30勝を目指したい」。27歳の顔に、勝負師の表情が戻った。

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