内藤雄士&野田すみれ【90切りからのステップアップ】第7回 低い球の打ち方
2021年08月13日 12:00
ゴルフ
![内藤雄士&野田すみれ【90切りからのステップアップ】第7回 低い球の打ち方](/sports/news/2021/08/13/jpeg/20210813b00043000001000p_view.jpg)
野田 実は、ジュニア時代は低い球を打つのが得意で、ラウンド中も頻繁に低い球を打っていました。ライン出しに近いショットで、ボールを曲げたくないときに有効でした。それがいつの間にか低い球を打てなくなり、結果も出なくなってしまったんです。
内藤 低い球を打つにはある程度のパワーが必要なので、体力がないジュニアには難しいんですが、野田さんにはパワーをカバーする技術があったのでしょう。ただ、ジュニアは感覚で打つことが多いので、明確に低い球を打つ方法を理解していなかったのでは。
野田 どうしたら以前のように打てるようになりますか?
内藤 まずは低い球を打つときのアドレスをチェックしてみましょう。
野田 ボールをいつもより右に置いていたと思いますが……。
内藤 低い球を打つには今まで以上に左肩が上がった構えは禁物です。以前行ったように、一度クロスハンドグリップでクラブを握ってからノーマルグリップに戻しましょう。その後でボールをスタンスの中央よりも1個分右にセットします。最初からハンドファーストの形をつくるイメージです。
野田 さすがに右に置くと違和感がありますね。
内藤 そこは慣れるしかありません(笑)。構えができたら、実際にボールを打ってみましょう。その際のポイントはフォロースルーです。インパクト後は、手首の形を変えずに自分が打ったボールよりも2個分先に別のボールがあるとイメージし、それを打つつもりでクラブヘッドを目標方向に出していきます。あえてそれ以上にクラブを振る必要はありません。ヘッドが腰よりも低い位置でスイングを止めます。
野田 フィニッシュまで振り抜かないんですね。
内藤 最後まで振ること自体、ボールを上げる動きにつながります。ボールを転がすときに、ヘッドを高い位置には上げませんよね?それと同じです。最初は軽く振るイメージでいいので、フィニッシュをとらないスイングでボールを打ってみましょう。
野田 なんとなく、以前はこのようなイメージでボールを打っていたような気がしてきました。
内藤 低い球を打つ障害は大振りをすることです。コンパクトなスイングを意識すると同時に、体と腕の運動量が同じになるようにします。野田さんの場合、きれいなスイングに見えますが、バックスイングでは若干体の運動量よりも腕の運動量が多くなっています。それがダウンスイングでは体の運動量の方が多いため、腕が遅れて下りてきて、インパクト後はその遅れを取り戻すように腕の運動量を多くしています。それがあおり打ちにつながっているのです。常に胸の前に両手があるスイングを意識します。フォロースルーでも胸の前に両手がきたら、あとは腰を回すだけです。ライン出しの練習は、振り過ぎに有効ですし、アイアンだけでなく、ドライバーショットの精度を上げる練習にもなります。もちろん、アベレージゴルファーはお勧めのドリルと言えます。
(取材協力=ハイランドセンター)
◆内藤 雄士(ないとう・ゆうじ)1969年(昭44)9月18日生まれ、東京都出身の51歳。日大ゴルフ部出身。米サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学び、98年からプロを教えるプロコーチとして活躍。丸山茂樹の米ツアー優勝に貢献し、矢野東、谷原秀人ら多くのトッププロを指導。
◆野田 すみれ(のだ・すみれ)1999年(平11)2月8日生まれ、東京都出身の22歳。日本女子大卒。3歳でゴルフを始め世界ジュニアの日本代表に10年から3度選出。11年にハワイ・パールオープン・ジュニアで優勝。1メートル57。
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