パリ五輪に新星!星がMGC切符 「驚き」初マラソン日本最高タイム2時間7分31秒でV

2022年02月28日 05:30

マラソン

パリ五輪に新星!星がMGC切符 「驚き」初マラソン日本最高タイム2時間7分31秒でV
<大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会>初マラソンで優勝する星岳(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会 ( 2022年2月27日    大阪市・大阪府庁前~大阪城公園、42・195キロ )】 社会人1年目の星岳(23=コニカミノルタ)が2時間7分31秒の初マラソン日本最高記録で優勝した。37キロ付近から徐々にペースを上げ、終盤までともに先頭集団を形成した山下一貴(24=三菱重工)、浦野雄平(24=富士通)を振り切った。上位6人と9位の川内優輝(34=あいおいニッセイ同和損保)が24年パリ五輪の出場権を争う来年秋のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場権を手にした。
 ゴール目前でサングラスを外し、笑顔でテープを切った。1メートル63、49キロと小柄な星が大阪、びわ湖毎日の記念すべき統合後初の大会で初マラソン日本最高記録を11秒更新する好タイムで優勝。24年パリ五輪へまた一人新星が現れた。

 「9分を切るのが目標だったので正直、この記録で優勝というのは…。ちょっと驚きがあるのと、素直にうれしいというのがあります」

 折り返しが実に5度。カーブが多く、勝負どころの30キロ付近からは高低差最大20メートルの坂が続く。大会前、好タイムは難しいと言われたコースで中盤までは「余計なことはしない」と先頭集団のやや後方でじっと息を潜め、力を蓄えた。優勝争いが山下、浦野と3人に絞られた35キロ付近で左手の時計に目をやり「初マラソンの記録を破れるかも」との考えが頭をもたげた時も、一気にスパートすることなく37キロ付近から少しずつギアを上げ、最後まで冷静な走りで記録を塗り替えた。

 中学時代までは野球に打ち込み、宮城・明成高(現仙台大明成高)で陸上を始めた。帝京大2年時に初の箱根駅伝で10区の区間賞を獲得。4年時には主将を務めた。「いずれはマラソンで勝負できる選手になりたい」と目標を定め、社会人1年目の今季、念願のマラソンデビューとなった。

 今大会には人生初の40キロ走を2度こなして臨んだが、ここまでの結果は期待していなかったという。最大の目標は「マラソンランナーにとって30歳が一番いい年齢」とした6年後の28年ロス五輪代表だったが、今大会の快走で思いがけず7月の世界陸上の参加標準(2時間7分53秒)も突破した。

 「今回のマラソンで少し見方が変わったかもしれません」。これまで人生プランにはなかった2年後のパリ五輪は突然、視界に飛び込んできた。

 【星 岳(ほし・がく)】☆生まれ 1998年(平10)9月17日生まれ。宮城県出身。
 ☆サイズ 1メートル63、49キロ。
 ☆経歴 宮城・明成高1年の時に陸上を始める。高校時代は全国ではほぼ無名。帝京大進学後に頭角を現し、2年時の箱根10区で区間賞。
 ☆自己ベスト 5000メートル14分4秒23、1万メートル28分14秒12、ハーフマラソン1時間2分20秒。
 ☆長所 後半の粘り。
 ☆趣味 野球の米大リーグ観戦。
 ☆オフの過ごし方 テレビやゲーム。
 ☆陸上を始める前に取り組んだスポーツ 野球。
 ☆将来の夢 日本代表。
 ☆好きな食べ物 いくら、うに。
 ☆嫌いな食べ物 マヨネーズ。
 ☆好きな女性のタイプ 口数が少ない人。

 ▽24年パリ五輪マラソン日本代表への道 来年秋開催予定の代表選考会(MGC)で内定条件の順位に入った選手が代表となる(東京五輪は2人)。MGCに出場するには各対象大会の基準を突破するか、今年の世界選手権8位以内、杭州アジア大会3位以内などが条件。昨年12月からの対象4大会で、18人がMGC出場権を獲得済みとなった。また、MGC後に残り枠を争う「ファイナルチャレンジ」が行われる予定となっている。

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