パリ五輪に新星!星がMGC切符 「驚き」初マラソン日本最高タイム2時間7分31秒でV
2022年02月28日 05:30
マラソン
「9分を切るのが目標だったので正直、この記録で優勝というのは…。ちょっと驚きがあるのと、素直にうれしいというのがあります」
折り返しが実に5度。カーブが多く、勝負どころの30キロ付近からは高低差最大20メートルの坂が続く。大会前、好タイムは難しいと言われたコースで中盤までは「余計なことはしない」と先頭集団のやや後方でじっと息を潜め、力を蓄えた。優勝争いが山下、浦野と3人に絞られた35キロ付近で左手の時計に目をやり「初マラソンの記録を破れるかも」との考えが頭をもたげた時も、一気にスパートすることなく37キロ付近から少しずつギアを上げ、最後まで冷静な走りで記録を塗り替えた。
中学時代までは野球に打ち込み、宮城・明成高(現仙台大明成高)で陸上を始めた。帝京大2年時に初の箱根駅伝で10区の区間賞を獲得。4年時には主将を務めた。「いずれはマラソンで勝負できる選手になりたい」と目標を定め、社会人1年目の今季、念願のマラソンデビューとなった。
今大会には人生初の40キロ走を2度こなして臨んだが、ここまでの結果は期待していなかったという。最大の目標は「マラソンランナーにとって30歳が一番いい年齢」とした6年後の28年ロス五輪代表だったが、今大会の快走で思いがけず7月の世界陸上の参加標準(2時間7分53秒)も突破した。
「今回のマラソンで少し見方が変わったかもしれません」。これまで人生プランにはなかった2年後のパリ五輪は突然、視界に飛び込んできた。
【星 岳(ほし・がく)】☆生まれ 1998年(平10)9月17日生まれ。宮城県出身。
☆サイズ 1メートル63、49キロ。
☆経歴 宮城・明成高1年の時に陸上を始める。高校時代は全国ではほぼ無名。帝京大進学後に頭角を現し、2年時の箱根10区で区間賞。
☆自己ベスト 5000メートル14分4秒23、1万メートル28分14秒12、ハーフマラソン1時間2分20秒。
☆長所 後半の粘り。
☆趣味 野球の米大リーグ観戦。
☆オフの過ごし方 テレビやゲーム。
☆陸上を始める前に取り組んだスポーツ 野球。
☆将来の夢 日本代表。
☆好きな食べ物 いくら、うに。
☆嫌いな食べ物 マヨネーズ。
☆好きな女性のタイプ 口数が少ない人。
▽24年パリ五輪マラソン日本代表への道 来年秋開催予定の代表選考会(MGC)で内定条件の順位に入った選手が代表となる(東京五輪は2人)。MGCに出場するには各対象大会の基準を突破するか、今年の世界選手権8位以内、杭州アジア大会3位以内などが条件。昨年12月からの対象4大会で、18人がMGC出場権を獲得済みとなった。また、MGC後に残り枠を争う「ファイナルチャレンジ」が行われる予定となっている。
おすすめテーマ
2022年02月28日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
御嶽海 春場所番付発表で「大関は言い訳ができない」 1歳年上女性との結婚に「怒られないようにしたい」
-
女子ゴルフ吉田優利がウエルシアとスポンサー契約「自覚と責任を持たなければと身が引き締まる思い」
-
紀平梨花 本田真凜、望結らと豪華アイスショーオフショット披露に「可愛い」「お帰りなさい」の声
-
小林陵侑が今季8勝目 ジャンプ男子個人第21戦
-
パリ五輪に新星!星がMGC切符 「驚き」初マラソン日本最高タイム2時間7分31秒でV
-
諏訪利成氏 星はルーキー離れしたレース運びが結果につながった
-
瀬古利彦氏 新星登場に「本当にうれしい」も…「満点はあげられません」と辛口評価
-
ホーバスJAPAN 富樫19得点も連勝逃す…オーストラリアにゴール下で圧倒される
-
バレー男子日本代表セッター・藤井直伸、胃がんステージ4 「一回り大きな人間になって帰ってきます」
-
国際柔道連盟 名誉会長プーチン大統領に職務停止発表
-
横浜5勝目 田村のキックで主導権 松井2トライも「修正したい」