「LIVゴルフ」って?超高額賞金1位は47億円超!3日間54H予選落ちなし!サウジ支援新興男子ツアー

2023年02月21日 04:44

ゴルフ

「LIVゴルフ」って?超高額賞金1位は47億円超!3日間54H予選落ちなし!サウジ支援新興男子ツアー
昨季出場したD・ジョンソン(ゲッティ=共同) Photo By ゲッティ=共同
 米ツアー20勝を誇る元世界ランク1位のグレグ・ノーマン(オーストラリア)が最高経営責任者(CEO)兼コミッショナーを務める男子ゴルフの新ツアー「LIVゴルフ」は24日に2年目のシーズンが開幕する。初年度はメジャー6勝のフィル・ミケルソン(米国)らが参戦したが、高額賞金でスターを“強奪”するようなやり方に反発も起きた。果たしてどんなツアーなのか、現地で取材したゴルフジャーナリスト大泉英子氏の証言を交えて紹介する。
 LIVゴルフと言えば超破格の賞金が注目されている。昨季8試合の賞金総額は2億2500万ドル(約301億5000万円)。賞金1位のダスティン・ジョンソン(米国)は個人戦、団体戦、年間順位ボーナスを合わせて3563万7767ドル(約47億8000万円)を獲得。米ツアー16年間の生涯獲得賞金の半分を8試合で稼いだことになる。

 高額賞金に引かれブルックス・ケプカ、ブライソン・デシャンボー(いずれも米国)らメジャー覇者が次々と参戦したが人権軽視などが問題視されるサウジアラビアの政府系ファンドが支援しているため反発もあった。大物を“強奪”された米ツアーは参戦した選手の出場資格を剥奪し、欧州ツアーも罰金や出場停止処分を科すなど対立。ダーティーなイメージがついた。

 ただ新しいスタイルは選手に歓迎されているようだ。LIVゴルフは3日間54ホールで争われる。LIV(ローマ数字で54)の由来でもある。出場選手は48人で予選落ちなし。各組が違うホールから一斉スタートするショットガン方式を採用。通常12時間を超えることもある競技時間は4時間半程度に短縮される。スタート時間が固定され、日程にも余裕があり選手の負担軽減につながっている。

 コースには音楽が流れ、静寂の中でのプレーに慣れた選手も楽しんでいる。大泉氏によるとパトリック・リード(米国)は「普段イヤホンで音楽を聴いて練習しているから問題ない」と話していたという。

 個人戦と同時並行して4人1組で争う団体戦も行われる。「団体戦も賞金があるので、回を追うごとにだんだん仲間意識が強くなった」(大泉氏)。関係者によると将来は各チームがそろいのウエアを着用。スポンサーを獲得しチーム名に企業名を入れる構想もある。F1のようなビジネスモデルだ。大泉氏は「ミケルソンらは“米ツアーや欧州ツアーと違う、ゴルフというスポーツの一つのあり方を示している”と言う。お金だけではなく、チームスポーツとしてのゴルフに魅力を感じている」と話す。

 2年目の今季は14試合が開催され、賞金総額は4億500万ドル(約542億7000万円)。難航していた放送権販売も米国のテレビ局との契約がまとまった。新たなゴルフの形を模索し続けるLIVゴルフがどう発展していくのか興味深い。

 ≪昨季日本勢出場も世界ランク上位の出場者増で枠外か≫ツアーが発足した昨季は谷原秀人、香妻陣一朗、稲森佑貴、木下稜介が出場。日本勢トップの賞金ランク49位だった香妻は、3試合の出場で120万5000ドル(約1億6000万円)を獲得した。ただし今季は世界ランク上位の出場者が増えるなど、日本勢が48人の枠に入るのは厳しいとみられる。松山英樹は昨年に海外メディアで参戦オファーを報じられた。LIVゴルフについては「悪いことをしているわけではない。ゴルフに対する思いの、ちょっとした違いなのかな」と語っていた。

 ≪4大メジャー全米プロ選手権以外“LIV勢”制限せず≫現時点でLIVゴルフの試合は、4大メジャーへの出場基準でもある世界ランキングポイントの対象外となっている。昨年7月に同ランクへの登録申請を行っており、現在は審査中。そこでLIVゴルフの選手たちは欧州やアジアツアーなどに出場し、同ランク維持を図っている。また4大メジャーでは、マスターズ、全米オープン、全英オープンは“LIV勢”を制限しない考えを表明。全米プロ選手権は未定だ。

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