元小結・常幸龍断髪式 第二の人生は「高校の先生を目指します」憧れは埼玉栄高の恩師・山田監督

2023年02月23日 18:04

相撲

元小結・常幸龍断髪式 第二の人生は「高校の先生を目指します」憧れは埼玉栄高の恩師・山田監督
<常幸龍断髪式>埼玉栄高相撲部の山田道紀監督(中央)にはさみを入れてもらう元常幸龍の佐久間貴之氏(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 昨年秋場所限りで現役を引退した大相撲の元小結・常幸龍の佐久間貴之氏(34)が23日、東京・両国国技館で断髪式を行った。11年技量審査場所初土俵で同期生の横綱・照ノ富士(31=伊勢ケ浜部屋)ら約160人が出席。最後に師匠の木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)が止めばさみを入れ、大銀杏(おおいちょう)に別れを告げた。
 佐久間氏は現在、東京都墨田区にある土俵付きレストラン「横綱とんかつ どすこい田中」で働く傍ら、長男・心絆(しんば)くん(9)が通う台東小松竜道場で小中学生に週3回相撲を教えている。「相撲をやっている子供たちのために教えていきたい。いろいろな子たちを見て強くさせたい」と指導者の道を志した。

 第二の人生の夢は高校相撲部の監督。4月から、公民科の教員免許取得を目指して日大の通信課程で学ぶ予定という。憧れの存在は、母校・埼玉栄高相撲部の山田道紀監督。高校時代に3年連続で全国高校総体団体優勝を経験している佐久間氏は「家族のように接してくれて、みんな一丸となって山田先生を胴上げするんだって気持ちで3年間やっていました。インターハイで優勝したので、今度は自分が育ててみたい、生徒に(優勝)させたいなという気持ちが湧いています。団体優勝して胴上げされてみたいですね。高校の先生を目指します」と夢を語った。恩師の姿に憧れ、その教えを今度は次の世代へ受け継いでいく。

 断髪式開始前のあいさつは「山田先生じゃなきゃダメなんです」という佐久間氏の熱い要望によって山田監督が務めた。「めちゃくちゃ良い言葉でした。隣でうるっときていました」としみじみ。指導者を目指す決断には、恩師の助言もあった。「教員免許を取得しておけば、この先いろいろと道が開くから。指導者はいいぞ、アマチュア相撲おもしろいぞ」。これまでに26人もの関取を輩出した名将の言葉に導かれ、元小結は新たな夢へと歩み始めた。

 ◇佐久間 貴之(さくま・たかゆき)1988年(昭63)8月7日生まれ、東京都北区出身の34歳。小2から文京針ケ谷相撲クラブで相撲を始め、北区立王子中(現・王子桜中)3年時に全中3位。埼玉栄高では2年時に国体優勝、3年時に世界ジュニア選手権無差別級優勝など7冠。日大では2年時の全国学生選手権優勝(学生横綱)など6冠。日大を卒業し、北の湖部屋(当時)に入門。11年5月の技量審査場所、佐久間山のしこ名で初土俵。歴代単独1位の序ノ口デビューから本割27連勝を記録。12年夏場所、史上最速タイの所要6場所(付け出しを除く)で新十両昇進。しこ名を常幸龍に改める。12年九州場所で新入幕。14年秋場所で新小結。15年初場所、日馬富士を破って初金星。22年秋場所で引退。最高位は小結。幕内在位15場所。幕内成績92勝121敗12休。金星1個。通算成績は358勝340敗27休。

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