“超人”川副が左足骨折しながら幕下筆頭で5勝目「自分でもびっくり。また一つ進化できた」

2023年05月26日 20:40

相撲

“超人”川副が左足骨折しながら幕下筆頭で5勝目「自分でもびっくり。また一つ進化できた」
<大相撲夏場所13日目>寄り倒しで友風を破った川副は足を気にしながら引き揚げる(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 【大相撲夏場所13日目 ( 2023年5月26日    東京・両国国技館 )】 一昨年の学生横綱の幕下・川副(24=宮城野部屋)が十両・友風(28=二所ノ関部屋)を破って5勝目を挙げた。相手の突っ張りを下からあてがって左を差し、中に入って一気に前に出て寄り倒し。「前に攻めることしか頭になかった。うまく差せたので、ここしかないと思って走れた」と会心の内容だった。
 4月上旬に左足の中足骨骨折、リスフラン関節脱臼、靱帯断裂の大ケガを負いながらも強行出場。西幕下筆頭で迎えた今場所、6番相撲で勝ち越しを決めて新十両昇進を確実にさせた。その日、師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)からは「苦労したな」という労いの言葉とともに祝福された。

 場所中に左目も痛め「眼球が肥大して(視界が)ボヤボヤしている」という。満身創痍で戦い抜いた今場所を「ピンチはチャンス。自分にこんな力があったんだと自分でもびっくり。今までで一番良い場所だった」と振り返った。ケガをしているからこそ、受けに回る相撲では勝てないと、紫雷に敗れた1番相撲で痛感。2番相撲からは前に攻める相撲に徹した。まさに「ケガの功名」。「一つ自分の殻を破れたというか、また一つ進化できたような気がします」と充実感を得た。

 「歩けるようになるまで1カ月かかる」と言われていた大ケガだったが、負傷した3日後にはギプスを外して松葉杖なしで歩いていたという。「治りが早いんだと思います。危機感で体が再生していったのかな(笑)」。並外れた柔軟性や身体能力を持つ24歳は、体の自然治癒力も“超人的”。場所直前には焦りと不安な気持ちもあったが「ここで勝ってこそ本当の超人」と力に変え、見事に5勝を挙げた。

 相撲人生最大のピンチを乗り越えた“超人”は「正念場の場所だったので、ひとまず休みたい」と胸中を吐露。関取として迎える名古屋場所(7月9日初日、愛知・ドルフィンズアリーナ)へ向け「ケガが治ってなくてもこれぐらい取れるので、ちゃんと治してもっと良い相撲を取りたい」と、完治させてさらに進化することを誓った。

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